「ゴルフはミスのスポーツ」という言葉は、皆さんも耳にしたことがあると思いますが、まさにその通りです。

　プロでも、皆さんからは完璧に打っているように見えているかもしれませんが、約9割はミスショット。ナイスショットが出る確率は、アマチュアゴルファーとほとんど変わらないと思います。ちなみに僕の場合、完璧なショットは1ランドで3～4回出ればいい方です。



　ただ、プロとアマが違うのは、プロの方が悪いショットの精度が高いことです。ゴルフが、「ナイスショットを打つ競技ではない」ということを理解し、ミスしてもできるだけ痛手が少なくなるようにプレーをしているから、皆さんよりスコアが多少いいのです。

　また、これはメンタルにも影響すると思いますが、基本的に完璧なショットは求めていません。完璧を１００だとしたら、僕の場合、自分で75％を越えたと思ったら「良し」としています。

　この数字に関しては、それぞれのレベルにも関係してきますが、できるだけ幅を広げた方がいいと思います。例えば１００切りを目指している人ならば、60％ぐらいのショットが打てれば「良し」とするといったように。また、雨が降っているときや風が強いときは、基準値を下げることも大事です。



　それと同時に、自分の技術だけでなく、その日の調子やコースのコンディションによって、できることとできないことを分けることも必要です。

「できるかどうか分からないけど、今後のためにやってみよう」という考えでチャレンジするのはいいと思いますが、成功率30～40％のことをやろうとするのは、ただの無謀に過ぎないし、いつもそういうことをやっていては、いつまで経っても上手くなりません。上達したいと思うなら、できる、できないを見極め、できることをしっかりやり続けましょう。



（取材協力：茨城県・JGMセベバレステロスゴルフクラブ）

木下裕太（きのした・ゆうた）
1986年5月10日、千葉県生まれ。高校２年時の 2003 年に「関東ジュニア」で優勝。翌 2004 年には 「全日本パブリック選手権」を制した。日本大学進学後の 2006 年には「日本アマ」でベスト８に入る。2007 年にはナショナルチームにも選ばれた。プロ2年目の2009 年にはチャレンジツアーで優勝。レギュラーツアー初優勝は2018 年の「マイナビ ABC チャンピオンシップ」。2023 年の「バンテリン東海クラシック」で ツアー2勝目を挙げた。

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