今回は、バンカーショットの打ち方をレッスンしましょう。

　バンカーショットが苦手という人の打ち方を見ていると、砂を爆発させるために、手に力を込めて強く打ち込んでいこうとしている人が多いように思います。しかし、その意識が強いと、ボールは出にくくなります。

　なぜなら、力を入れてヘッドを落とそうとすればするほど、最下点が右にズレてしまうからです。ボールの下ではなく、ボールの右の砂を爆発させても、ボールは飛んでくれません。

　そうならないためにも、手首を柔らかく使う意識が必要です。手元を動かさず、クラブをクルクル回すような感じで手首を柔らかくローテーションさせることが重要になってくるのです（写真①②）。


　それに対し、手首周りが硬いと、手を振ってしまいます。そうなると、最下点がズレるだけでなく、ヘッドが加速せず、砂の抵抗に負けてしまうことになるので注意してください。

　手首回りを柔らかく使うためにまず意識して欲しいのは、手と肩のラインでできる三角形をあまり大きく動かさないことです。

　通常のスイングでは、この三角形を崩さずに大きく動かしましょう（同③④）といわれますが、そうすると手首が硬くなったり、アドレスで作った姿勢が右に揺れてしまうので、バンカーショットでは逆に、三角形の動きを抑えることが大事です。


　そのためにも、手元を低くして、少しハンドダウン気味に構えるようにしましょう（同⑤）。それと同時に、いつものアプローチより全体的に身体を落として、低めに構えることも重要です。


　まずは手元を低く落とし、そこから手首回りを軟らかく使って打つことが大事だということを、頭に入れて置いてください（次回に続く）。（埼玉県・嵐山カントリークラブ）

中村香織（なかむら・かおり）
1986年生まれ、京都府出身。プロゴルファー。小学生時代は器械体操の選手として活躍。アテネオリンピックのジュニア強化選手も選ばれた。その後、腰の怪我により体操競技を断念し、12歳からゴルフを始める。2007年プロ入り（79期生）。2009年ステップ・アップ・ツアーでプロ初優勝。2013年には賞金ランク37位でシード権を獲得した。2015年にはステップ・アップ・ツアーで2勝するも、同年末にツアーからの撤退を表明。2017年6月よりティーチングプロとして活動を開始。分かりやすいレッスンは高い人気を誇る。

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