賞金女王も愛用するアイアンのカーボンシャフトのメリットとは?
2015年11月19日(木)午後0:42
賞金女王も愛用するアイアンのカーボンシャフトのメリットとは?
今年の賞金女王は、年間7勝を挙げ圧倒的な強さを誇ったイ・ボミプロ。アイアンにカーボンシャフトを採用しているボミプロは、今年の春先からさらに重いカーボンシャフトに変更しています。
プロは男女ともアイアンにはスチールシャフトを使用する選手がほとんどですが、「HEIWA PGMチャンピオンシップ」で優勝した谷原秀人プロをはじめ、カーボンシャフト使用者も一定数存在します。アン・ソンジュプロや藤田光里プロのように、スチールシャフトからカーボンシャフトに変更する選手も少なくないようです。
今回はアマチュアでも増えてきている、アイアンにカーボンシャフトを装着するメリットについて紹介します。
アイアンのカーボンシャフトが普及しない理由
スチールシャフトが誕生したのは1910年頃。それまで一般的だったヒッコリー(木材)シャフトより50gも軽いというのが特徴でした。ボールが飛び過ぎるとの理由から一旦使用禁止となり、正式に認定されたのは1926年のことです。
1970年頃からカーボンシャフトの製造が始まり、徐々に普及していきます。90年代には尾崎将司プロがアイアンにカーボンシャフトを採用し、ジャンボ軍団をはじめ、それに習うプロが続出しました。アマチュア向けの軽量なカーボンシャフトも登場します。しかし、2000年代に「NS PRO 950GH」などの軽量なスチールシャフトが登場したため、現在はカーボンとスチールが両方ラインナップされていることが多いようです。
ヒッコリーからスチールへは劇的に変わりましたが、スチールからカーボンには全てのアイアンが変わったわけではありません。その理由のひとつが費用です。一般的にカーボンシャフトの方が高価で、セットで購入するにはなかなかの負担になります。また、プロの中には「カーボンシャフトは飛びすぎることがある」という人もいます。プロや上級者は、自分のクラブを大きく変えたがらない傾向があるので、結果としてスチールを使うプロが現在も主流になっています。
アイアンにカーボンシャフトを装着するメリット
現在は、より軽量なスチールシャフトとより重量のあるカーボンシャフトが登場しています。そのため、カーボンとスチールの重量的な差は小さくなってきています。
カーボンのメリットは、振動減衰性に優れている点です。手首や肘などの体への負担が軽減されるので、より長くゴルフを楽しむことができるようになるはずです。アン・ソンジュプロは、痛めている首への負担を減らすためにカーボンに変更したといいます。ボールをたくさん打つプロゴルファーにもそのあたりのメリットがあるようです。特に地面から打つアイアンは、身体への衝撃がドライバーに比べて大きくなります。
またカーボンのほうが肉厚や硬さなど、設計の自由が大きいこともいえます。谷原プロはやや軽めにしたシャフトを長くし、打ち出し角が高くなるようなクラブ選びをしたといいます。重さや硬さ、しなり具合などをより要望に近づけるには、カーボンのほうが適しているようです。
ドライバーやフェアウェイウッドはカーボンシャフトなので、アイアンにもカーボンを装着すると、振った感触が揃いやすいのも大きなメリットです。現在は「慣れ」もあり定番のスチールシャフトを使うゴルファーが多いですが、このあたりの長所が理解されてくると、カーボンシャフト使用者はさらに増えそうです。
スチールシャフトで70g?120g台、カーボンシャフトだとなんと30g?120g台まで重量の幅があります。
選ぶには、まず先に決めるのは重量です。次に振り心地や打ちたい球筋に応じて、スチールかカーボンかを決めるのがいいでしょう。高い弾道が打ちたい場合は、軽めのカーボンで少し長めにセッティングする方法が効果的です。
カーボンかスチールか?
正解はありませんが、いつも使っているシャフト以外にも色々試して、球筋の違いを楽しんでみるとよりクラブ選びが面白くなりますね。
【関連】FWに合うシャフト選びのポイント
【関連】今さら聞けない!? シャフトの基礎知識
【関連】ツアープロコーチが愛用する「飛ばせるシャフト」とは?
【関連】ツアープロコーチが語る「シャフト」の重要性 石川遼のスイングで解説
【関連】マキロイとスピース。プロコーチが考える究極のスイングとは?
【今なら1ヵ月無料】「レッスン動画」がスマホでいつでもどこでも見れる!GOLF NETWORK PLUS「スコアアッププラン」
スマホ・PC・タブレットで、通勤時や練習場でなど、いつでもどこでも好きな時に「レッスン動画」をみることができます。
【詳細】GOLF NETWORK PLUS スコアアッププラン
写真提供:Getty Images