?打ち出し角とスピン量の関係? 改めて知っておきたい「飛びの三原則」とは? vol.02
2015年7月6日(月)午後3:23
今週、PGA新シーズンの初陣を迎えるローリー・マキロイ。
身長177cmとそれほど体格は大きくないにも関わらず、昨年のPGAツアーのドライビングディスタンスは310.5で堂々の3位。
マキロイのように飛ばしたい・・・そんな風に思うアマチュアゴルファーの方も多いのでは?
ボールの飛距離を決める「ボール初速」「打ち出し角」「バックスピン」の「飛びの三原則」。
前回は、「ボール初速」について取り上げましたが、今回は残る2つ、「打ち出し角」と「バックスピン」について取り上げたいと思います。
「初速」は、速ければ速いほど飛ばしに有利という絶対的なものでしたが、今回取り上げる2項目は、ただ数値を上げればいいというわけではなく、いかに適正な数値を得るか、つまり、いかに自分に合ったクラブを選ぶかがカギになる要素といえます。
<関連リンク>昨年のPGAツアー最高飛距離は424Y!?改めてしっておきたい「飛びの三原則」とは?vol.01
打ち出し角は高く、バックスピンは少なく
「打ち出し角」と「バックスピン」は非常に密接な関係にあり、どちらもロフトと重心位置の影響を強く受けて、球の高さと強さを決定します。
「打ち出し角」は高すぎると、途中から失速する力のない山なり弾道になりやすく、低すぎるとキャリーが不足して、すぐに地面に落ちてしまうドロップボールになります。
「バックスピン」も同様です。バックスピンはボールを浮かせる力(揚力)の源です。バックスピンの量が多い球は、ホップして吹き上がるため打ち出し角以上の高さを得られますが、飛距離は出にくくなります。逆にバックスピンが少なすぎると、ボールは途中で失速してやはり飛距離が出ません。
【動画】松山英樹ドライバーショット(ノーザントラストオープンより)
ドライバーの弾道は、「高打ち出し・低スピン」のボールが飛ぶとされていますが、どのくらいの数値をもって「高打ち出し」「低スピン」と呼ぶかは難しい問題です。
これまで打ち出し角12?14度、バックスピン量2200?2500回転/分くらいが最適ではないかとされてきましたが、17度/1700回転を理想とするメーカーも現れています。
ボール初速が遅い人は打ち出し角が高すぎると球が前に進まず、ランも出ないのでトータル飛距離が伸びませんし、バックスピンが少なすぎると失速してドロップし、キャリー不足になります。
飛距離不足に悩む一般的なゴルファーの傾向を見ると、打ち出し角は不足している人が多く、スピン量は多すぎる人が多いと考えられているようで、ドライバーの開発も、打ち出し角を稼ぎ(リアルロフト増)、スピン量を減らす(低重心化)方向が主流です。
重心の深さと高さで弾道は大きく変わる
バックスピン量に大きな影響を与えるのが、ヘッドの重心位置です。
ヘッドの重心位置が低くなると、フェース面上の重心点=芯に対して相対的にボールがフェースの上のほうに当たることになり、「ギア効果」によってバックスピンが減る効果があるのです。バックスピンを減らすため、ドライバーの進化は「低重心化」の歴史とも言えます。
最近の流行は、重心位置がフェースよりに近い「浅重心」のヘッドです。
重心が「浅い」位置にあることで、低重心化と相まって、よりバックスピン量が減る傾向にあります。「浅重心」ヘッドは、同じロフト角でもボールが上がりにくくなるので、ロフト角の大きなヘッドを選ぶのが重要です。
現代のドライバーは、「浅重心」ドライバーと「深重心」ドライバーで二極化しています。その人のスイングや技量によって合う合わないがはっきりと出やすいので、自分が振りやすく、結果が良いモデルを選びたいところです。
このように「高打ち出し角・低スピン」弾道を求めるために、さまざまなドライバーが開発されていますが、かえってゴルファーにとってはクラブ選びが難しくなったのも事実です。モデル数も10年前に比べて、3倍に増えているという統計もあります。
クラブで飛距離を伸ばすには、弾道データを計測できるフィッティングを受け、適正な打ち出し角、スピン量になるクラブを選ぶことが一番の早道です。
「打ち出し角」と「バックスピン量」が適正に近づいた弾道になる効果は絶大です。これまでバックスピン量が多く飛距離をロスしていたゴルファーであれば、クラブを変えることで10?20ヤードの飛距離アップも決して夢ではありません。
使っているクラブの機能を知っておくと、闇雲に買い替えせずとも、結果の出やすいクラブ選びが出来ます。その試行錯誤も、ゴルフの大きな愉しみのひとつでしょう。
適正打ち出し角&スピン量を得られるドライバー選びのポイント
・打ち出し角とバックスピン量は適正に近づけることで飛距離アップできる
・打ち出し角とバックスピン量は、ロフト角に大きく影響される
・深重心ドライバーよりも浅重心ドライバーの方が、スピン量が少なくボールが上がりにくい傾向→ロフト角を増やす
・現代のドライバーは「深重心」と「浅重心」の二極化傾向。合う合わないが出やすいので、無理に打ちこなそうとするよりもクラブを変えたほうが無難
・弾道計測器でテストして、結果がいいものを選ぶ