地元優勝でグランドスラムに弾みをつけたいA.スコット
2013年11月7日(木)午後0:57
マスターズ王者のアダム・スコットが地元豪州で行われる公式戦に凱旋出場する。
豪州ツアーのオーストラリアンPGA選手権は現地時間7日、豪クイーンズランド州のRACVロイヤルパインズリゾートを舞台に開幕。大先輩のグレッグ・ノーマンが何度も優勝に手をかけながら及ばなかったマスターズで、豪州勢として今年初優勝したスコットが地元のヒーローとして登場する。
大会前のレセプションでは、マスターズ王者だけに許されたチャンピオンズディナーのメニュー選びにオージーフードを提案することを約束し、笑顔をのぞかせていたスコットだったが、プロアマ終了後に今後の目標に話が及ぶと真剣な表情で大目標を宣言した。「長い間練習と準備を続けてのことだけど」と前置きした上で「もっとメジャーで優勝出来ると思う。またマスターズにも勝てるし、全英オープンにも、出来れば全米オープン、全米プロゴルフ選手権にも」と口にしたのだ。
キャリアグランドスラマーと呼ばれる4大会制覇の経験者は決して多くない。生涯アマチュアとして通したマスターズ創始者のボビー・ジョーンズ(米)は、当時グランドスラムと呼ばれた全米、全英オープン、全米、全英アマのすべてに優勝している。マスターズ、全米オープン、全英オープン、全米プロゴルフ選手権の4大会で優勝しているのは、ベン・ホーガン(米)、ジーン・サラゼン(米)、ジャック・二クラウス(米)、ゲイリー・プレイヤー(南ア)、タイガー・ウッズ(米)の5人だけ。あのアーノルド・パーマー(米)でさえ全米プロではとうとう勝てず、グランドスラマーの称号は得られなかった。当時に比べゴルフ界の裾野は広がり、世界中から実力者たちがのし上がってきている。そんな中、あえてスコットは大きな目標に挑むことを決めたようだ。
2008年にはオーストラリアン・オープンで優勝しているスコットだが、今大会では未勝利。それだけに家族や友人が見守る地元で勝利を収め、さらなるメジャー制覇を目指す今後につなげようと燃えている。
その他、ピーター・シニア、クレイグ・パリー、マーク・リーシュマンら地元の実力者たちに加え、米国からはリッキー・ファウラーも参戦。日本勢は谷昭範と加賀崎航太(16歳・オーストラリア在住)の2人が出場し、百戦錬磨の面々の中での戦いに挑む。