揺れる東京五輪ゴルフ会場問題 JGAが見解を発表
2017年2月2日(木)午後5:44
日本ゴルフ協会(JGA)のオリンピックゴルフ競技対策本部は1月31日、オリンピックゴルフ競技会場問題で一部、不正確で誤解を与える情報提供がなされているとして、公式ページにて見解を発表。東京五輪ゴルフ会場については、一度は霞ヶ関カンツリー倶楽部(KCC)で決着しながらも、暑さ対策、選手村からの距離などの観点から若洲ゴルフリンクス(若洲GL)案が浮上していた。
■KCC選定の経緯について
1)2012年2月に東京都による「申請ファイル」に若洲ゴルフリンクスが記載されたのは東京都の独自判断であり、IF(国際ゴルフ連盟/IGF)及びNF(日本ゴルフ協会/JGA)が承認したものではない。(この時点では、IF・NF承認の必須条件なし)
2)その後、東京都から依頼を受け、「オリンピックゴルフ競技対策本部」が都の選定条件であった選手村から50km圏内という条件に従い、約50のゴルフコースから絞り込み、世界メジャートーナメント規模の面積、施設、実績を踏まえた結果、「申請ファイル」に記載した若洲GLには大規模な改修が必要であり、東京都に充分な計画がなかったため、東京都も承諾した上で除外された。
3)協議の結果、KCCが第一候補会場となり、その後、東京都がアクセス、施設の検証を行った上で、KCCの受諾決議を経て、IGF及び国際オリンピック委員会(IOC)の承認を得て「立候補ファイル」に記載された。(この時点では、IF・NF承認が必須条件)
オリンピックゴルフ競技対策本部としては、現在でもKCCは諸条件のなかで最良の選択であり、正式にIGF及びIOCに承認され、正規の手続きであったという認識に変わりはないとの見解が記されている。
■暑さなどの諸問題について
暑さ問題としては、KCCの方が平均気温は1℃高く、平均湿度は約10%低いという昨年のデータを挙げながらも「ゴルフは自然と相対するスポーツであり、暑さ寒さは心配していない。しかも日傘等で競技者自身が自己防衛可能なスポーツである」というIGF会長・ピーター・ドーソン氏の言葉を紹介。ギャラリーに対しては大きな避難所や多くの休憩所を設ける方向で検討を進めているとのこと。
選手村からの送迎については、選手村からを利用しないプレーヤーの宿泊施設の確保も含め、最善の方法を検討しているところだという。
他にも女性正会員問題や大会後のレガシーについてなど、検討事項が山積みの五輪ゴルフ会場問題。当初の予定通り、霞ヶ関カンツリー倶楽部となるのか、それとも若洲ゴルフリンクスに変更となるのか。今後の動向を見守りたい。