今季の全米オープン王者ローリー・マキロイ（北アイルランド）と、昨シーズンの全米プロゴルフ選手権覇者マーティン・カイマー（独）が、互いに一歩も譲らない戦いを繰り広げている。

　欧州ツアー、オメガ・ヨーロピアン・マスターズ第1ラウンド（現地時間1日、スイス、クラン・シュル・シエール）は、8アンダー63でプレーしたニック・ドハティ（英）が単独首位に立ったが、これをマキロイ、カイマーが2打差2位タイで追走。いずれも、負けるわけには行かない理由がある。

　1月のアブダビHSBCゴルフ選手権で優勝争いをした2人だが、このときは通算24アンダーでカイマーが優勝。マキロイは2位ながら8打の大差をつけられた悔しい思い出がある。その時のリベンジと6位まで落ちた世界ランクを戻したいという強い思いから、「いいスタートだね。もっと（ランク）上位に行きたい」と目を輝かせ、痛めている腕の調子についても「ほぼ100％に近づいた。コースに戻ってきて試合ができるのは本当にうれしい」と、笑顔を見せていた。

　一方のカイマーも、8番パー3で長いバーディパットを決めるなど好発進。全英オープン12位タイの後、WGC-ブリヂストン招待29位タイ、全米プロ予選落ちと調子は下降気味だが、それだけにシーズン終盤に向けてこのチャンスを逃したくないはずだ。

　その他上位陣では、リー・スン（韓）、ゲイリー・ボイド（英）の2人もマキロイらと同じ2位タイにつけ、世界ランクNo.2のリー・ウェストウッド（英）、ジーブ・ミルカ・シン（インド）らが4アンダー67の8位タイ。先週のジョニー・ウォーカー選手権で5人プレーオフを制し、40歳での賞金王を目指すトーマス・ビヨーン（デンマーク）は、3アンダー68で14位タイとまずまずのスタートを切った。

　モリナリ兄弟（伊）の兄エドアルドは2アンダー69で24位タイ。弟フランセスコは、同じイタリアの後輩マッテオ・マナッセロ、ディフェンディング・チャンピオンのミゲール・A・ヒメネス（スペイン）、昨季の全英オープン王者ルイス・ウーストハウゼン（南ア）らとともに1アンダー70の40位タイにつけている。