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「もう全員ぶっ倒す、全勝。英樹にはチームに大貢献してもらいたい」 世界選抜副主将、丸山茂樹プレジデンツカップインタビュー後編
2024年9月19日(木)午前10:22
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2年に1度行われる米国選抜と世界選抜による対抗戦、ザ・プレジデンツカップが26日からカナダのロイヤル・モントリオールGCで開催される。インターナショナルチーム(世界選抜)の一員として1998年大会でMVPに輝き、今年は同チームの副キャプテンを務める丸山茂樹氏に大会の思い出や魅力などについて語ってもらった。今回は後編。
―松山選手がパリ五輪で銅メダル、プレーオフシリーズ初戦で優勝
たぶん(ジェネシス)スコティッシュオープン、全英オープンで、不甲斐ない、調子の良くないゴルフをして、自分の中で若干ネガティブな感じで(パリ五輪に)入ってきて。正直に言うと練習ラウンドもそこまで凄くいいわけではなかったです。
その中で毎日10時間、11時間とゴルフ場で練習をたくさん重ねて、調子を持って行って本番であの成績を残した。その次のフェデックスセントジュード(チャンピオンシップ)であれだけのゴルフができたのは、その練習量があって何かを見つけたからで、繋がってると思います。いいタイミングでちょっと1回落ちて、オリンピックの前のいいタイミングでまた上昇してきた、というようなバイオリズムだったのかなという感じはしますね。
―対抗戦の戦い方
自分の力だけではどうしようもできない部分はいっぱいあるし、どういう選手とパートナーを組むかということも非常に大きい。その采配というのはキャプテン(マイク・ウィアー)をはじめ、僕ら5人の副キャプテン、みんなで話し合ってやることだと思う。(ミーティングでは)どういう質問をされるか分からないけど、明確に自分の思いをきちんと伝えられたらいいかなと思います。
―トッププレーヤーである松山選手をコーチすること
彼は黒宮(幹仁)というコーチがいるのでしっかりとスイングの部分に関しては(黒宮コーチと)話し合って、僕の場合はシチュエーションというか、「こういうシチュエーションの時は丸山さんはどうしてました?」とかそのぐらいの質問。スイングの根本的な部分というのは黒宮と話せばいいことであって、僕が出る意味は全くないです。
コースに行って「こんな感じのアプローチって丸山さんどういう風なイメージで打ちます?」というのは、いまだによく聞かれるかな。このあいだ初めて「バンカーのアゴに近いところから出ないんですよ。どうやって打っていますか?」と言われて、それで丸山スペシャルをちょっと教えたら気に入ってくれて、「今度やる」とかって言っていましたけどね(笑)。練習で打ったら出て大喜びしてました。
もともと松山英樹という選手は情報収集能力が高い選手で、いろいろな選手にいろいろな質問をして、たくさんいい栄養をもらって、(必要な)栄養だけ振り絞ってあとはスパッと排除できる凄いクレバーな選手。そこはいつも立派だなと。あまり質問してこない人が多い中で、僕を頼ってくれます。アメリカにいる今田竜二ともアプローチの話をしていると思うし。あれだけの選手になって普通だったらカッコつけて聞かない感じだけど、そこを恥じなく「もっと知りたいもっと知りたい」みたい部分が彼の凄さだなと思います。
―プレジデンツカップで松山選手に期待すること
もう全員ぶっ倒す、全勝。丸山にもできたわけですし、英樹には全勝してもらってチームに大貢献してもらいたい。彼の普通のゴルフができてパートナーとのマッチングがうまくいけば、世界で誰にも負けないゴルフができる男ですから。あとは根性で頑張る。
―松山選手のパートナーについて
いつもアダム・スコットがあがってるけど、お互いにウィークポイントを持っている。例えば英樹もショット、アプローチは世界レベルだけど、パッティングのアベレージがいつも下だったり。アダムもどちらかというとパッティングに関してはあまりアベレージが良くない。だからパッティングが凄く調子がいい選手と組んだら、もっと相乗効果が生まれると思うけど、そこはマイクがどう采配するかをちょっと見たいかなと。その中で僕も自分の中で言えたらいいなと思います。
もともと英樹自体がそんなに会話を多くする選手ではなく、一回スタートしたら自分の世界を作っていく選手。チーム戦というのはちょっとしたコミュニケーションを取っていかないといけないけど、その辺の英語は問題ないと思うので、うまくやるんではないかとは思います。
他の選手から見たら英樹は凄く頼りになると思う。あれだけのアイアンショットを打てる選手はなかなかいないので、チームで組んだ時は頼りになるんじゃないかなと。凄く難しいシチュエーションからピンを刺してくれたらもう一人は楽だし、一番頼りにされているのは間違いないと思います。
―松山選手の凄さ
やはり一番凄いなと思うのはメンタルの強さ。それにあの練習量をミックスしてる。パリの17番も18番も凄い難しいティーショットなのに「あれはヤバかったよね?」と聞いたら、「どこにでも行けと思って思い切り振りました」と。その気持ちで自分のスイングをしっかりできるということが彼の強み。
例えばメンフィス(フェデックスセントジュードチャンピオンシップ)の18番もほぼラフにみんな行くのに、左サイドのフェアウェイに打ったということは、あのパリの18番が凄くいい経験になっていたのかなと。そういう学習をしっかり生かして、たぶん同じ気持ちで打ったと思います。その同じことをできる能力が本当に高い選手。
タイガー・ウッズは別格かもしれないけど、彼は7割、8割くらいの練習で、本番に9割を出せる。でも125位までの選手たちは、9割のパフォーマンスを練習でするとちょっと本番では落ちる。英樹はタイガーとかスコッティ・シェフラーとかザンダー(・シャウフェレ)とかと同じように、練習が「8」で本番に「9」に近い数字を出せる選手なんだなといつも思ってます。だからパッティングさえ入り出したら、ポンと優勝する。
そういう意味で、(松山選手の凄さは)メンタルが一番で、それにくっついていける練習量と、彼が思う理想のスイング、松山英樹のオリジナルのものをしっかり持っているということかなと。周りに左右されなくて、全くスタイルが変わらない。普通はあれだけの一流選手が目の前にいたら意外と取り入れちゃっておかしくなる人もいる中で、本当にスタイルを変えない職人。本当に凄いなと思います。
(素材提供:PGAツアー)
―松山選手がパリ五輪で銅メダル、プレーオフシリーズ初戦で優勝
たぶん(ジェネシス)スコティッシュオープン、全英オープンで、不甲斐ない、調子の良くないゴルフをして、自分の中で若干ネガティブな感じで(パリ五輪に)入ってきて。正直に言うと練習ラウンドもそこまで凄くいいわけではなかったです。
その中で毎日10時間、11時間とゴルフ場で練習をたくさん重ねて、調子を持って行って本番であの成績を残した。その次のフェデックスセントジュード(チャンピオンシップ)であれだけのゴルフができたのは、その練習量があって何かを見つけたからで、繋がってると思います。いいタイミングでちょっと1回落ちて、オリンピックの前のいいタイミングでまた上昇してきた、というようなバイオリズムだったのかなという感じはしますね。
―対抗戦の戦い方
自分の力だけではどうしようもできない部分はいっぱいあるし、どういう選手とパートナーを組むかということも非常に大きい。その采配というのはキャプテン(マイク・ウィアー)をはじめ、僕ら5人の副キャプテン、みんなで話し合ってやることだと思う。(ミーティングでは)どういう質問をされるか分からないけど、明確に自分の思いをきちんと伝えられたらいいかなと思います。
―トッププレーヤーである松山選手をコーチすること
彼は黒宮(幹仁)というコーチがいるのでしっかりとスイングの部分に関しては(黒宮コーチと)話し合って、僕の場合はシチュエーションというか、「こういうシチュエーションの時は丸山さんはどうしてました?」とかそのぐらいの質問。スイングの根本的な部分というのは黒宮と話せばいいことであって、僕が出る意味は全くないです。
コースに行って「こんな感じのアプローチって丸山さんどういう風なイメージで打ちます?」というのは、いまだによく聞かれるかな。このあいだ初めて「バンカーのアゴに近いところから出ないんですよ。どうやって打っていますか?」と言われて、それで丸山スペシャルをちょっと教えたら気に入ってくれて、「今度やる」とかって言っていましたけどね(笑)。練習で打ったら出て大喜びしてました。
もともと松山英樹という選手は情報収集能力が高い選手で、いろいろな選手にいろいろな質問をして、たくさんいい栄養をもらって、(必要な)栄養だけ振り絞ってあとはスパッと排除できる凄いクレバーな選手。そこはいつも立派だなと。あまり質問してこない人が多い中で、僕を頼ってくれます。アメリカにいる今田竜二ともアプローチの話をしていると思うし。あれだけの選手になって普通だったらカッコつけて聞かない感じだけど、そこを恥じなく「もっと知りたいもっと知りたい」みたい部分が彼の凄さだなと思います。
―プレジデンツカップで松山選手に期待すること
もう全員ぶっ倒す、全勝。丸山にもできたわけですし、英樹には全勝してもらってチームに大貢献してもらいたい。彼の普通のゴルフができてパートナーとのマッチングがうまくいけば、世界で誰にも負けないゴルフができる男ですから。あとは根性で頑張る。
―松山選手のパートナーについて
いつもアダム・スコットがあがってるけど、お互いにウィークポイントを持っている。例えば英樹もショット、アプローチは世界レベルだけど、パッティングのアベレージがいつも下だったり。アダムもどちらかというとパッティングに関してはあまりアベレージが良くない。だからパッティングが凄く調子がいい選手と組んだら、もっと相乗効果が生まれると思うけど、そこはマイクがどう采配するかをちょっと見たいかなと。その中で僕も自分の中で言えたらいいなと思います。
もともと英樹自体がそんなに会話を多くする選手ではなく、一回スタートしたら自分の世界を作っていく選手。チーム戦というのはちょっとしたコミュニケーションを取っていかないといけないけど、その辺の英語は問題ないと思うので、うまくやるんではないかとは思います。
他の選手から見たら英樹は凄く頼りになると思う。あれだけのアイアンショットを打てる選手はなかなかいないので、チームで組んだ時は頼りになるんじゃないかなと。凄く難しいシチュエーションからピンを刺してくれたらもう一人は楽だし、一番頼りにされているのは間違いないと思います。
―松山選手の凄さ
やはり一番凄いなと思うのはメンタルの強さ。それにあの練習量をミックスしてる。パリの17番も18番も凄い難しいティーショットなのに「あれはヤバかったよね?」と聞いたら、「どこにでも行けと思って思い切り振りました」と。その気持ちで自分のスイングをしっかりできるということが彼の強み。
例えばメンフィス(フェデックスセントジュードチャンピオンシップ)の18番もほぼラフにみんな行くのに、左サイドのフェアウェイに打ったということは、あのパリの18番が凄くいい経験になっていたのかなと。そういう学習をしっかり生かして、たぶん同じ気持ちで打ったと思います。その同じことをできる能力が本当に高い選手。
タイガー・ウッズは別格かもしれないけど、彼は7割、8割くらいの練習で、本番に9割を出せる。でも125位までの選手たちは、9割のパフォーマンスを練習でするとちょっと本番では落ちる。英樹はタイガーとかスコッティ・シェフラーとかザンダー(・シャウフェレ)とかと同じように、練習が「8」で本番に「9」に近い数字を出せる選手なんだなといつも思ってます。だからパッティングさえ入り出したら、ポンと優勝する。
そういう意味で、(松山選手の凄さは)メンタルが一番で、それにくっついていける練習量と、彼が思う理想のスイング、松山英樹のオリジナルのものをしっかり持っているということかなと。周りに左右されなくて、全くスタイルが変わらない。普通はあれだけの一流選手が目の前にいたら意外と取り入れちゃっておかしくなる人もいる中で、本当にスタイルを変えない職人。本当に凄いなと思います。
(素材提供:PGAツアー)
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