海外男子
リズムがいつも変わらない冷静沈着なアーロン・ライのツアー初優勝
2024年8月15日(木)午後1:20
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レギュラーツアーの最終戦となる「ウィンダムチャンピオンシップ」が、米ノースカロライナ州にあるセッジフィールドカントリークラブで開催されました。頂点に立ったのは、イングランドのアーロン・ライ。最終日、6アンダーで回り、米ツアー初優勝を逆転で飾りました。
また日本人選手で唯一出場した久常涼選手も3位タイと健闘。FedExカップランキング70位以内に入ることはできませんでしたが、来季に期待が膨らむプレーを披露してくれました。今大会の解説を務めた田島創志プロに激戦の模様を振り返ってもらうとともに、プレーオフシリーズの展望も語ってもらいました。
プレーオフシリーズに進出できるトップ70を決める大切な大会ということもあって、今季もボーダーラインにいる選手たちの意気込みが伝わってくる熱い戦いが繰り広げられました。
まずは、3位タイに入った久常涼選手について。「スコティッシュオープン」、「全英オープン」で予選落ちをして、それを引きずってしまったのか「3Mオープン」でも予選落ち。かなり落ち込んでいたと思いますが、オリンピックの週にリフレッシュできたのか、オリンピックの戦いを見て感じるところがあったのか、今週は久常選手らしい、いいプレーを見せてくれました。
優勝にこそ届きませんでしたが最後に、「入ればトップに並ぶ」というショットを経験できたのも彼の経験値を高める材料になったと思います。予選落ちはしたものの、本場のリンクスでのプレーも大きな経験になったはず。この経験を生かして、DPワールドツアーやPGAフォールでも、結果を求めて頑張って欲しいと思います。
さて、優勝したのは、欧州ツアー2勝のアーロン・ライ。これまでもいくつかの試合で上位争いを繰り広げてきたこともあって、PGAツアー初優勝というのは意外でした。
ゴルフのリズムやスタイルが、いつも変わらないというのが彼の特長で、今大会はモチベーションをキープするのが難しい場面があったと思いますが、1打1打を丁寧にプレーするという姿勢が実を結んだのだと思います。
ポイントは、18番パー4のセカンドショット。左足下がりのライからワンピンに付けたあたりはマネジメントの素晴らしさが光りました。また、住まいが近く、普段から仲の良いビリー・ホーシェルと一緒に回ることでリラックスできていたというのも、勝因の一つだと思います。
それにしてもアーロン・ライ、マッチプレーでは絶対に戦いたくない選手です。というのも、どんな状況でも自分のリズムを変えないし、表情からは心理状態が読めないから。こういう選手と優勝争いはしたくないというのが正直な気持ちです。
一方、最終日トップスタートだったマックス・グレイザーマンは、前半4つ伸ばしながら、後半3つ落として最終的には2位。13番パー4でイーグルを取ったところまでは良かったのですが、14番のパー4で8打。2位との差が開いて気を引き締めなければいけないところで、軽率なプレーをしてミスを連発してしまった。やはりゴルフというのは最後まで丁寧にやらなければいけないし、浮ついた気持ちになってはいけないということを改めて感じさせられました。
その14番、百歩譲ってティーショットのミスは仕方がないにしても、4打目のラフからのショットをバンカーに入れるというのは、絶対にやってはいけないミス。あの1打は本当に悔やまれます。
さて、来週からはいよいよプレーオフシリーズが始まります。今季も、試合ごとに振り落とされていくフォーマットで、選手にとっては過酷、見ている方にとってはエキサイティングなシリーズになります。
注目は、松山英樹選手がどんなプレーを見せてくれるかということ。昨年の悔しい気持ちもあるでしょうし、本人的にも今季は勝ち切りたいという気持ちが強いのではないでしょうか。そういう意味でも、パリオリンピックのメダルは大きいはず。気分良くプレーオフに挑んでくれると思います。
大本命は、パリでも金メダルに輝いたスコッティ・シェフラーであることに異論を唱える人はいないでしょう。今年のシェフラーの無双ぶりというのは、言葉では言い尽くせないくらいすごく、今回のプレーオフでも、3試合連続優勝もあるのではないかと思ってしまうくらい。昨年はビクター・ホブランドが最後2試合を制しましたが、調子のいい選手が勝つフォーマットになっているのでひょっとしたらひょっとするかもです。
いずれにしろ見ているほうがワクワクするような展開を期待したいと思っています。
(写真:Getty Images)
また日本人選手で唯一出場した久常涼選手も3位タイと健闘。FedExカップランキング70位以内に入ることはできませんでしたが、来季に期待が膨らむプレーを披露してくれました。今大会の解説を務めた田島創志プロに激戦の模様を振り返ってもらうとともに、プレーオフシリーズの展望も語ってもらいました。
最後まで自分のペースを崩さなかったアーロン・ライ
プレーオフシリーズに進出できるトップ70を決める大切な大会ということもあって、今季もボーダーラインにいる選手たちの意気込みが伝わってくる熱い戦いが繰り広げられました。
まずは、3位タイに入った久常涼選手について。「スコティッシュオープン」、「全英オープン」で予選落ちをして、それを引きずってしまったのか「3Mオープン」でも予選落ち。かなり落ち込んでいたと思いますが、オリンピックの週にリフレッシュできたのか、オリンピックの戦いを見て感じるところがあったのか、今週は久常選手らしい、いいプレーを見せてくれました。
優勝にこそ届きませんでしたが最後に、「入ればトップに並ぶ」というショットを経験できたのも彼の経験値を高める材料になったと思います。予選落ちはしたものの、本場のリンクスでのプレーも大きな経験になったはず。この経験を生かして、DPワールドツアーやPGAフォールでも、結果を求めて頑張って欲しいと思います。
さて、優勝したのは、欧州ツアー2勝のアーロン・ライ。これまでもいくつかの試合で上位争いを繰り広げてきたこともあって、PGAツアー初優勝というのは意外でした。
ゴルフのリズムやスタイルが、いつも変わらないというのが彼の特長で、今大会はモチベーションをキープするのが難しい場面があったと思いますが、1打1打を丁寧にプレーするという姿勢が実を結んだのだと思います。
ポイントは、18番パー4のセカンドショット。左足下がりのライからワンピンに付けたあたりはマネジメントの素晴らしさが光りました。また、住まいが近く、普段から仲の良いビリー・ホーシェルと一緒に回ることでリラックスできていたというのも、勝因の一つだと思います。
それにしてもアーロン・ライ、マッチプレーでは絶対に戦いたくない選手です。というのも、どんな状況でも自分のリズムを変えないし、表情からは心理状態が読めないから。こういう選手と優勝争いはしたくないというのが正直な気持ちです。
一方、最終日トップスタートだったマックス・グレイザーマンは、前半4つ伸ばしながら、後半3つ落として最終的には2位。13番パー4でイーグルを取ったところまでは良かったのですが、14番のパー4で8打。2位との差が開いて気を引き締めなければいけないところで、軽率なプレーをしてミスを連発してしまった。やはりゴルフというのは最後まで丁寧にやらなければいけないし、浮ついた気持ちになってはいけないということを改めて感じさせられました。
その14番、百歩譲ってティーショットのミスは仕方がないにしても、4打目のラフからのショットをバンカーに入れるというのは、絶対にやってはいけないミス。あの1打は本当に悔やまれます。
さて、来週からはいよいよプレーオフシリーズが始まります。今季も、試合ごとに振り落とされていくフォーマットで、選手にとっては過酷、見ている方にとってはエキサイティングなシリーズになります。
注目は、松山英樹選手がどんなプレーを見せてくれるかということ。昨年の悔しい気持ちもあるでしょうし、本人的にも今季は勝ち切りたいという気持ちが強いのではないでしょうか。そういう意味でも、パリオリンピックのメダルは大きいはず。気分良くプレーオフに挑んでくれると思います。
大本命は、パリでも金メダルに輝いたスコッティ・シェフラーであることに異論を唱える人はいないでしょう。今年のシェフラーの無双ぶりというのは、言葉では言い尽くせないくらいすごく、今回のプレーオフでも、3試合連続優勝もあるのではないかと思ってしまうくらい。昨年はビクター・ホブランドが最後2試合を制しましたが、調子のいい選手が勝つフォーマットになっているのでひょっとしたらひょっとするかもです。
いずれにしろ見ているほうがワクワクするような展開を期待したいと思っています。
(写真:Getty Images)
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