海外男子
誕生日が同じで仲の良いスコッティ・シェフラーとトム・キムのプレーオフ決戦
2024年6月27日(木)午前11:43
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米コネチカット州のTPCリバーハイランズで開催された「トラベラーズチャンピオンシップ」。今季のシグネチャーイベントの最終戦として注目を集めましたが、今季同イベント3勝を挙げているスコッティ・シェフラーがトム・キムをプレーオフで破り、今季6勝目(シグネチャーイベント4勝目)を飾りました。同大会の模様を、ゴルフネットワークで解説を務めた大町昭義プロに振り返ってもらいました。
最終日はノーボギーで、4日間のトータルでもわずか4ボギー。最終日は、前半の6番、7番で連続バーディーを奪い、後半は13番から3連続。13番のパー5でバーディーを取ったあとに自分のペースに乗っていくというあたりにも、試合巧者のシェフラーらしさを感じました。
ショットに関しては、デビュー当時からずっと安定していて、ドライバーショットはもちろん、アイアンショットが高い精度を誇ることは皆さんもご存じの通り。PGAツアーではストロークゲインのデータを75ヤードから175ヤードまで25ヤード刻みで出しているのですが、全てシェフラーがトップ。今や75ヤードから175ヤードまでは“シェフラーゾーン”といわれているほどです。
さらに、パッティングも進化しています。コーチとの話し合いで、これまでスタンスがクローズ、肩がオープンで、ストロークがややクロス気味だったのですが、それを修正。また、自分に合うパターにも出会ったようで、ストロークが格段に安定しました。
そんなシェフラーに対して、トム・キムもいいゴルフをしたと思います。残念ながらあと一歩及ばなかったわけですが、勝負を分けたのは、プレーオフでのシェフラーのクラブ選択にあったような気がします。キムがティーショットをドライバーで打ったのに対し、シェフラーはフェアウェイウッド。その理由は、多分シェフラーが先にセカンドショットを打ちかったからだと思います。
先にセカンドショットを打ったシェフラーはグリーンオン。ボール自体はワンピン奥にあったのですが、セカンド地点にいたキムからは、多分ベタピンに見えていたと思います。そこで、キムは果敢にピンを狙いに行ったのですが、ガードバンカー、しかも目玉になってしまった。この分析が当たっているかどうかは分かりませんが、いろいろな点を考えても、全てにおいてシェフラーの方が一枚上だったような気がします。
そのことをキムも感じていたのでしょう。試合後のインタビューでは、「結果的に、バンカーに入れたセカンドショットは残念だったけど、世界ランクNo.1にあそこまで近づけたというのが自信になった」とコメント。前向きで素晴らしい青年です。
ともにテキサス住んでいて、家が近く、22歳(キム)と28歳(シェフラー)と歳は違いますが、誕生日が一緒ということで、とても仲が良いとか。普段から食事をともにすることもあるそうです。シェフラーの強さは改めていうまでもありませんが、この大会のキムのプレーを見ていると、またいずれ2人の戦いが見られるような気がします。
一方、松山英樹選手も最終日は素晴らしいプレーを見せてくれました。34位タイからのスタートだったのですが、1イーグル、6バーディー、2ボギーの64。最終的には23位タイでしたが、本人的にはトップ10に入ったくらいの手応えがあったのではないかと思います。今後は、スコティッシュオープンに参戦して全英オープンに挑むようですが、全英でも優勝争いに絡んでくれると思います。
勝負のカギを握るのは、パッティング。全英の舞台となるロイヤルトゥルーンでは間違いなく強い風が吹くと思いますが、その中で安定したパッティングができるかどうか。メジャーの舞台で、“ヒデキスマイル”を見てみたいものです。
また、PGAツアーの次戦となるロケットモーゲージクラシックも楽しみな一戦です。舞台のデトロイトゴルフクラブ(ミシガン州)は、クラシカルなデザインの歴史あるコース。ショットメーカーには有利なコースなので、参戦予定の久常涼選手も大いに期待できるんじゃないかと。トラベラーズ2位のキムも出場するとのこと。若手対決にも注目しましょう。
(写真:Getty Images)
プレーオフでも試合巧者振りを発揮したシェフラー
「やはりシェフラーは強い」。そのことを再認識させられた大会でした。これで、シグネチャーイベントは8試合中4勝で、その勝率はなんと5割。圧倒的な強さです。最終日はノーボギーで、4日間のトータルでもわずか4ボギー。最終日は、前半の6番、7番で連続バーディーを奪い、後半は13番から3連続。13番のパー5でバーディーを取ったあとに自分のペースに乗っていくというあたりにも、試合巧者のシェフラーらしさを感じました。
ショットに関しては、デビュー当時からずっと安定していて、ドライバーショットはもちろん、アイアンショットが高い精度を誇ることは皆さんもご存じの通り。PGAツアーではストロークゲインのデータを75ヤードから175ヤードまで25ヤード刻みで出しているのですが、全てシェフラーがトップ。今や75ヤードから175ヤードまでは“シェフラーゾーン”といわれているほどです。
さらに、パッティングも進化しています。コーチとの話し合いで、これまでスタンスがクローズ、肩がオープンで、ストロークがややクロス気味だったのですが、それを修正。また、自分に合うパターにも出会ったようで、ストロークが格段に安定しました。
そんなシェフラーに対して、トム・キムもいいゴルフをしたと思います。残念ながらあと一歩及ばなかったわけですが、勝負を分けたのは、プレーオフでのシェフラーのクラブ選択にあったような気がします。キムがティーショットをドライバーで打ったのに対し、シェフラーはフェアウェイウッド。その理由は、多分シェフラーが先にセカンドショットを打ちかったからだと思います。
先にセカンドショットを打ったシェフラーはグリーンオン。ボール自体はワンピン奥にあったのですが、セカンド地点にいたキムからは、多分ベタピンに見えていたと思います。そこで、キムは果敢にピンを狙いに行ったのですが、ガードバンカー、しかも目玉になってしまった。この分析が当たっているかどうかは分かりませんが、いろいろな点を考えても、全てにおいてシェフラーの方が一枚上だったような気がします。
そのことをキムも感じていたのでしょう。試合後のインタビューでは、「結果的に、バンカーに入れたセカンドショットは残念だったけど、世界ランクNo.1にあそこまで近づけたというのが自信になった」とコメント。前向きで素晴らしい青年です。
ともにテキサス住んでいて、家が近く、22歳(キム)と28歳(シェフラー)と歳は違いますが、誕生日が一緒ということで、とても仲が良いとか。普段から食事をともにすることもあるそうです。シェフラーの強さは改めていうまでもありませんが、この大会のキムのプレーを見ていると、またいずれ2人の戦いが見られるような気がします。
一方、松山英樹選手も最終日は素晴らしいプレーを見せてくれました。34位タイからのスタートだったのですが、1イーグル、6バーディー、2ボギーの64。最終的には23位タイでしたが、本人的にはトップ10に入ったくらいの手応えがあったのではないかと思います。今後は、スコティッシュオープンに参戦して全英オープンに挑むようですが、全英でも優勝争いに絡んでくれると思います。
勝負のカギを握るのは、パッティング。全英の舞台となるロイヤルトゥルーンでは間違いなく強い風が吹くと思いますが、その中で安定したパッティングができるかどうか。メジャーの舞台で、“ヒデキスマイル”を見てみたいものです。
また、PGAツアーの次戦となるロケットモーゲージクラシックも楽しみな一戦です。舞台のデトロイトゴルフクラブ(ミシガン州)は、クラシカルなデザインの歴史あるコース。ショットメーカーには有利なコースなので、参戦予定の久常涼選手も大いに期待できるんじゃないかと。トラベラーズ2位のキムも出場するとのこと。若手対決にも注目しましょう。
(写真:Getty Images)
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