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「体に染みついた強さ」が覚醒したニック・テイラー、逆転で世界ランキング1位と47歳ベテランを下す
2024年2月15日(木)午前10:53
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米アリゾナ州のTPCスコッツデールで開催された「WMフェニックスオープン」は、カナダ人プレーヤー、ニック・テイラーが頂点に立った。序盤は、チャーリー・ホフマンが快調に飛ばしていたが、昨年同大会2位だったテイラーが追い上げ、プレーオフへ。2ホール目でテイラーがバーディーパットを決めて通算4勝目を手にした。
最後までもつれた試合の模様を、ゴルフネットワークで解説を務めた佐藤信人プロに振り返ってもらいました。また、今週開催の「ザ・ジェネシスインビテーショナル」の展望も語ってもらいました。
それにしてもテイラーの怒涛の追い上げはすごかった。プレーオフ入ってからもその勢いは止まりませんでした。テイラーは、去年同大会2位で、2023年は母国のナショナルオープン、「RBCカナディアンオープン」で優勝。上から目線になってしまいますが、「本当に強くなったな」と感じています。
彼は、2009年に世界アマチュアランキング1位になってその後、プロ入りした選手。世界ランク1位経験者は、松山英樹選手やリッキー・ファウラーなど数多くいますが、そういう選手はアマチュア時代に勝ち方みたいなのが体の中に染みついているようです。しかし、その一方で、プロの世界はそんなに甘いものではなく、消えてしまう人もいます。
テイラーの場合も、プロの世界に入ってかなり苦しみましたが、「フェニックス」の2位をきっかけに覚醒。アマチュア時代の“強いテイラー”が蘇った感じがしました。印象的だったのは、メンタルの強さ。入れなければいけないという場面ではきちっと入れてくる。こういうタイプは、メジャーや国別対抗戦、テイラーの場合は「プレジデンツカップ」ですが、いいプレーをしそうな気がしますね。
もちろん、優勝を逃したホフマンの頑張りにも拍手を送りたいですね。47歳のベテラン。多くの中年世代に勇気を与えたのではないでしょうか。私自身も経験がありますが、ホフマンのようなベテランが、たまに力発揮するというのはよくあることですが、この辺りがゴルフトーナメントの面白さ。ベテランの活躍は見ていて興奮しますよね。
松山選手は、同大会で過去2勝していることもあって期待されていましたが、残念ながら最終日に思ったように伸ばせず22位タイ。松山選手の場合、今なおスイングと格闘していたり、パッティングでも悩み抱えていて結果に繋がらないようですが、それでもそれなりの成績で終えるというのはさすがだと思います。
本人的には17番でボギーを叩くなど、気持ち良くホールアウトできなかったので、かなり悔しい思いをしていると思いますが、「ザ・ジェネシスインビテーショナル」ではいいプレーを見せてくれるのではないかと期待しています。
また、久常涼選手は、スタート3分ぐらい前に出場が決まるというドタバタで、さらに天候にも悩まされて1打足りずに予選落ちになったのですが、インタビューでは、「自分が下手だったからです」と一切の言い訳はなし。その潔さに感心しました。予選落ちにはなりましたが、TPCスコッツデールでのプレーは大きな経験になったと思います。
さて、次戦は、ザ・リビエラカントリークラブで行われる「ザ・ジェネシスインビテーショナル」。マスターズも2カ月後に迫り、フィールドにいる選手もメジャーで優勝争いをする選手が中心になってきます。
各選手とも、マスターズに向けてどうやって勢いを付けていこうかというのを考えていると思うので、そういう目線で見るのも楽しいと思います。
注目は、やはりタイガー・ウッズ。体調もかなり元に戻ってきたようで、今年は月1試合のペースで試合に出たいと言っていました。おそらく「ザ・ジェネシス」辺りから出てくると思うのですが、どんなプレーを見せてくれるか。楽しみです。
現在、優勝数はサム・スニードと同数の82勝。これを、いつ追い抜くか。いきなり優勝というのはないと思いますが、まずは4日間、元気にプレーする姿を見たいですね。
(写真:Getty Images)
最後までもつれた試合の模様を、ゴルフネットワークで解説を務めた佐藤信人プロに振り返ってもらいました。また、今週開催の「ザ・ジェネシスインビテーショナル」の展望も語ってもらいました。
元世界アマチュアランキング1位のテイラーが強さを発揮
優勝争いはし烈を極めました。序盤はスコッティ・シェフラーが、3~4打差でぶっちぎるのかなと思っていたら、途中からシェフラーが後半伸ばせず。そのシェフラーに代わって、終始安定していたチャーリー・ホフマンが優勝するのかと思いきや、ニック・テイラーがじわじわと追い上げてきました。それにしてもテイラーの怒涛の追い上げはすごかった。プレーオフ入ってからもその勢いは止まりませんでした。テイラーは、去年同大会2位で、2023年は母国のナショナルオープン、「RBCカナディアンオープン」で優勝。上から目線になってしまいますが、「本当に強くなったな」と感じています。
彼は、2009年に世界アマチュアランキング1位になってその後、プロ入りした選手。世界ランク1位経験者は、松山英樹選手やリッキー・ファウラーなど数多くいますが、そういう選手はアマチュア時代に勝ち方みたいなのが体の中に染みついているようです。しかし、その一方で、プロの世界はそんなに甘いものではなく、消えてしまう人もいます。
テイラーの場合も、プロの世界に入ってかなり苦しみましたが、「フェニックス」の2位をきっかけに覚醒。アマチュア時代の“強いテイラー”が蘇った感じがしました。印象的だったのは、メンタルの強さ。入れなければいけないという場面ではきちっと入れてくる。こういうタイプは、メジャーや国別対抗戦、テイラーの場合は「プレジデンツカップ」ですが、いいプレーをしそうな気がしますね。
もちろん、優勝を逃したホフマンの頑張りにも拍手を送りたいですね。47歳のベテラン。多くの中年世代に勇気を与えたのではないでしょうか。私自身も経験がありますが、ホフマンのようなベテランが、たまに力発揮するというのはよくあることですが、この辺りがゴルフトーナメントの面白さ。ベテランの活躍は見ていて興奮しますよね。
調子を取り戻しつつある松山選手と、2024年初登場のタイガー・ウッズに期待
松山選手は、同大会で過去2勝していることもあって期待されていましたが、残念ながら最終日に思ったように伸ばせず22位タイ。松山選手の場合、今なおスイングと格闘していたり、パッティングでも悩み抱えていて結果に繋がらないようですが、それでもそれなりの成績で終えるというのはさすがだと思います。
本人的には17番でボギーを叩くなど、気持ち良くホールアウトできなかったので、かなり悔しい思いをしていると思いますが、「ザ・ジェネシスインビテーショナル」ではいいプレーを見せてくれるのではないかと期待しています。
また、久常涼選手は、スタート3分ぐらい前に出場が決まるというドタバタで、さらに天候にも悩まされて1打足りずに予選落ちになったのですが、インタビューでは、「自分が下手だったからです」と一切の言い訳はなし。その潔さに感心しました。予選落ちにはなりましたが、TPCスコッツデールでのプレーは大きな経験になったと思います。
さて、次戦は、ザ・リビエラカントリークラブで行われる「ザ・ジェネシスインビテーショナル」。マスターズも2カ月後に迫り、フィールドにいる選手もメジャーで優勝争いをする選手が中心になってきます。
各選手とも、マスターズに向けてどうやって勢いを付けていこうかというのを考えていると思うので、そういう目線で見るのも楽しいと思います。
注目は、やはりタイガー・ウッズ。体調もかなり元に戻ってきたようで、今年は月1試合のペースで試合に出たいと言っていました。おそらく「ザ・ジェネシス」辺りから出てくると思うのですが、どんなプレーを見せてくれるか。楽しみです。
現在、優勝数はサム・スニードと同数の82勝。これを、いつ追い抜くか。いきなり優勝というのはないと思いますが、まずは4日間、元気にプレーする姿を見たいですね。
(写真:Getty Images)
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2月15日(木)~2月18日(日)