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PGAツアーシーズンチャンピオンはビクトル・ホブランド、9月からは熾烈なシード権争いがスタート
2023年8月31日(木)午前10:20
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22-23シーズンの最終戦で、FedExカップポイントランキング上位30名のみが出場できる「ツアーチャンピオンシップ」が、8月24~27日、“球聖”ボビー・ジョーンズがホームコースとしていた名門、米国ジョージア州イーストレイクゴルフクラブで開催されました。頂点に立ったのは、最終日を6打差の単独首位で出たビクトル・ホブランド(ノルウェー)。この日も7バーディー、ノーボギーの「63」とスコアを伸ばし、前週の「BMWチャンピオンシップ」に続いて連続優勝を果たして自身初の年間王者に輝きました。激戦の模様と今季のPGAツアーについて、CSゴルフネットワークで中継解説を務めたプロゴルファー・佐藤信人さんに振り返ってもらいました。
最終日は、6打差でスタートしたホブラン。昨年の大会では、ザンダー・シャウフェレが6打差をローリー・マキロイにひっくり返されましたが、今年はそのシャウフェレが6打差を追うという形に。2年連続で大逆転はないだろうと思いつつも、途中、「もしかして」という状況になったこともあったので、見ていて興奮しました。
今年はグリーン周りのスキルが上がり、自分でも、「少しセーフティーに攻めるようになり、難しいコースも攻略できるようになった」といっていましたが、その言葉通り、今季優勝したザ・メモリアルトーナメント(ミュアフィールドビレッジGC)、BMWチャンピオンシップ(オリンピアフィールズCC)、そして今大会と、すべて難コース。ドライバーショット、パットはもともと上手かったんですが、そこに小技も身に付けてオールラウンドのプレーヤーになり、「押しも押されぬ世界のトッププレーヤー」になった感じがしました。最終日も何度かピンチはありましたが、「ここぞ」というときのパットは実に見事。「もう1回やれ」といわれてもできないようなプレーを大事なところでやれるというのは、一流選手の証だと思います。
一方、2位のシャウフェレも立派だったと思います。先ほどもいったように、昨年は6打差をひっくり返されたわけですが、「今年は前半から積極的に追いかけて、ホブランにプレッシャーをかけることができれば」という試合前のコメント通り、1番からその姿勢を見せて、最後まで緩めませんでした。
今大会で47試合が終わったわけですが、ゴルフの楽しさが存分に味わえたシーズンだったと思います。シェフラーやマキロイ、ジョン・ラームらトップ選手が毎週、上位に顔を覗かせる一方で、トム・キムやアクシェイ・バティアなど若い選手も台頭。そうかと思えば、ルーカス・グラバーやジャスティン・ローズの優勝、さらにリッキー・ファウラーやジェイソン・デイらの復活優勝もあるなど、他のスポーツとは違って幅広い年齢層のプレーヤーが活躍できるというゴルフの良さが出たシーズンだったように思います。
我らが松山英樹選手に関しては、ツアーチャンピオンシップ出場が9年連続で途絶えたわけですが、なんとかトップ50に滑り込み、来年のシグネチャーイベントに出られるのがせめてもの救い。特に「『BMWチャンピオンシップ』に出場できれば」という状況で迎えた「フェデックスセントジュードチャンピオンシップ」最終日での怒濤のバーディーラッシュはすごかった。あのときは解説ではなく、家のテレビの前に座っていましたが、最終日18番の奥からのアプローチのときは祈りながら見ていたものです。
さて、9月11日からは「FedExCupフォール」がスタートします。125位以内のシード権争いは非常にシビアで、レギュラーツアーとは違った見どころがあると思います。また、その中には、日本で開催される「ZOZOチャンピオンシップ」も組み込まれています。今季、国内で活躍し全英オープンに挑んだ若手選手が、どれだけ世界と戦えるか。優勝争いに絡むことを期待するのはもちろんですが、あわよくば勝って、PGAツアーメンバーになるというところまでいってくれないかなと期待しています。
難コースになるほど強さを発揮したホブランド
最終日は、6打差でスタートしたホブラン。昨年の大会では、ザンダー・シャウフェレが6打差をローリー・マキロイにひっくり返されましたが、今年はそのシャウフェレが6打差を追うという形に。2年連続で大逆転はないだろうと思いつつも、途中、「もしかして」という状況になったこともあったので、見ていて興奮しました。
今年はグリーン周りのスキルが上がり、自分でも、「少しセーフティーに攻めるようになり、難しいコースも攻略できるようになった」といっていましたが、その言葉通り、今季優勝したザ・メモリアルトーナメント(ミュアフィールドビレッジGC)、BMWチャンピオンシップ(オリンピアフィールズCC)、そして今大会と、すべて難コース。ドライバーショット、パットはもともと上手かったんですが、そこに小技も身に付けてオールラウンドのプレーヤーになり、「押しも押されぬ世界のトッププレーヤー」になった感じがしました。最終日も何度かピンチはありましたが、「ここぞ」というときのパットは実に見事。「もう1回やれ」といわれてもできないようなプレーを大事なところでやれるというのは、一流選手の証だと思います。
一方、2位のシャウフェレも立派だったと思います。先ほどもいったように、昨年は6打差をひっくり返されたわけですが、「今年は前半から積極的に追いかけて、ホブランにプレッシャーをかけることができれば」という試合前のコメント通り、1番からその姿勢を見せて、最後まで緩めませんでした。
若手、ベテラン、中堅、幅広い世代の活躍がみられた今季
今大会で47試合が終わったわけですが、ゴルフの楽しさが存分に味わえたシーズンだったと思います。シェフラーやマキロイ、ジョン・ラームらトップ選手が毎週、上位に顔を覗かせる一方で、トム・キムやアクシェイ・バティアなど若い選手も台頭。そうかと思えば、ルーカス・グラバーやジャスティン・ローズの優勝、さらにリッキー・ファウラーやジェイソン・デイらの復活優勝もあるなど、他のスポーツとは違って幅広い年齢層のプレーヤーが活躍できるというゴルフの良さが出たシーズンだったように思います。
我らが松山英樹選手に関しては、ツアーチャンピオンシップ出場が9年連続で途絶えたわけですが、なんとかトップ50に滑り込み、来年のシグネチャーイベントに出られるのがせめてもの救い。特に「『BMWチャンピオンシップ』に出場できれば」という状況で迎えた「フェデックスセントジュードチャンピオンシップ」最終日での怒濤のバーディーラッシュはすごかった。あのときは解説ではなく、家のテレビの前に座っていましたが、最終日18番の奥からのアプローチのときは祈りながら見ていたものです。
シビアなシード権争い
さて、9月11日からは「FedExCupフォール」がスタートします。125位以内のシード権争いは非常にシビアで、レギュラーツアーとは違った見どころがあると思います。また、その中には、日本で開催される「ZOZOチャンピオンシップ」も組み込まれています。今季、国内で活躍し全英オープンに挑んだ若手選手が、どれだけ世界と戦えるか。優勝争いに絡むことを期待するのはもちろんですが、あわよくば勝って、PGAツアーメンバーになるというところまでいってくれないかなと期待しています。
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8月24日(木)~8月27日(日)