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難コースに強いビクター・ホブランド選手、勝因はメリハリの利いたコースマネージメントにあり
2023年6月13日(火)午後3:14
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2023年のPGAツアー「ザ・メモリアルトーナメント presented byワークデイ(6月1日~4日/ミュアフィールドビレッジゴルフクラブ/オハイオ)」は、ビクター・ホブランドが優勝しツアー4勝目をあげました。CSゴルフネットワークで中継解説を務めたプロキャディ・杉澤伸章さんが振り返りました。
まずは、松山英樹選手について。3日目は最終組でスタートするも決勝ラウンドは75、76とスコアを伸ばせず苦しい展開でした。その中でも16位タイに留まったことはとても凄いことです。
グリーンが固くて難しい中で、ストロークゲインドパッティングで20位につけている。風に翻弄されて、ダブルボギーやトリプルボギーを叩いたホールもあったが、手応えを感じたショットもパットもありました。今週の全米オープンも大いに期待できます。
その全米オープン。今年の開催コースであるロサンゼルスCCは、固いグリーンが予想されます。さらに、そこにUSGAのセッティングが施されるとなると、波乱の大会になるんじゃないかと予想しています。それだけに、松山選手には最高のコンディションで臨んで頂きたいです。
さて次は、優勝したビクター・ホブランド選手について。全米プロ2位、マスターズ7位、ザ・プレーヤーズ3位タイ。ラフが難しいアーノルド・パーマーインビテーショナルこそ最終日75を叩いて10位タイに終わりましたが、“難しいセッティングに強いホブランド”の印象がさらに強くなりました。ザ・メモリアルトーナメントを制したことで、全米オープンも益々楽しみです。
データを見ておもしろいと思ったのは、ホブランド選手の今シーズンにおけるショートゲームのスタッツです。ストロークゲインドパッティングが102位(ザ・メモリアルトーナメント直前)でしたが、メモリアルでは同部門は全体の3位。難しいコースになると、何故かプレーが変わるようです。
どうして難しいコースに強いのか?そのポイントは、彼のメリハリの効いたコースマネージメントにあると思います。例えばメモリアルの最終日でも、ほとんどの選手がピンを狙わずに左サイドにセーフティーマネージメントする10番ホールで、ベタピンのバーディ。8番、9番がボギーだったにもかかわらず、ティーショットをフェアウェイに置いたことで勝負に出たのだと思います。
一方、難しい17番でもバーディを取ったのですが、このバーディはセーフティーにいって長めのパットが入って獲得したもの。10番とは質が異なるバーディを獲得、全体的にパーをキープしながら耐えに耐えて、ここぞというときに果敢に攻める。難しいセッティングで強いというのは、このメリハリのあるプレースタイルにあると考えられます。
今回のメモリアルのように、最近のPGAツアーは全体的にセッティングが難しくなっています。選手たちは毎週メジャー大会をしているようだという意見もあります。難しいセッティングの試合が増えているのは、最近の傾向といえるでしょう。
それと流石だったのが、3位のスコッティ・シェフラー。予選ラウンドは74、73を叩き、カットラインギリギリで予選を通過したのですが、決勝ラウンドでは68、67をマークし、順位を3位まで上げてきました。常に世界ランキング上位にいる選手の凄さを見ました。今後の試合も注目です。
もう一人、個人的に注目していたのが、最終日に崩れて30位タイに沈んだマーク・ハバード。聞くところによると、今年から高い球を打つ練習に取り組んでいるそうです。もともとアメリカのコースはグリーン手前にハザードがあったり、花道のないグリーンが多く、上からドスンと落とすボールが必要になってくるのですが、今回のように固いグリーンになると余計に上から落とさなければいけなくなってしまう。今回は結果を残せませんでしたが、いつかその成果を発揮するときが来ると思います。
今週の全米オープンゴルフはタフなセッティングにより、我慢大会になることが予想されます。選手たちが普段のPGAツアーの試合で鍛えたスキルとメンタルが活かされることを願っています。
メジャー級のハードセッティングとなった2023ザ・メモリアルトーナメント
まずは、松山英樹選手について。3日目は最終組でスタートするも決勝ラウンドは75、76とスコアを伸ばせず苦しい展開でした。その中でも16位タイに留まったことはとても凄いことです。
グリーンが固くて難しい中で、ストロークゲインドパッティングで20位につけている。風に翻弄されて、ダブルボギーやトリプルボギーを叩いたホールもあったが、手応えを感じたショットもパットもありました。今週の全米オープンも大いに期待できます。
その全米オープン。今年の開催コースであるロサンゼルスCCは、固いグリーンが予想されます。さらに、そこにUSGAのセッティングが施されるとなると、波乱の大会になるんじゃないかと予想しています。それだけに、松山選手には最高のコンディションで臨んで頂きたいです。
さて次は、優勝したビクター・ホブランド選手について。全米プロ2位、マスターズ7位、ザ・プレーヤーズ3位タイ。ラフが難しいアーノルド・パーマーインビテーショナルこそ最終日75を叩いて10位タイに終わりましたが、“難しいセッティングに強いホブランド”の印象がさらに強くなりました。ザ・メモリアルトーナメントを制したことで、全米オープンも益々楽しみです。
データを見ておもしろいと思ったのは、ホブランド選手の今シーズンにおけるショートゲームのスタッツです。ストロークゲインドパッティングが102位(ザ・メモリアルトーナメント直前)でしたが、メモリアルでは同部門は全体の3位。難しいコースになると、何故かプレーが変わるようです。
どうして難しいコースに強いのか?そのポイントは、彼のメリハリの効いたコースマネージメントにあると思います。例えばメモリアルの最終日でも、ほとんどの選手がピンを狙わずに左サイドにセーフティーマネージメントする10番ホールで、ベタピンのバーディ。8番、9番がボギーだったにもかかわらず、ティーショットをフェアウェイに置いたことで勝負に出たのだと思います。
一方、難しい17番でもバーディを取ったのですが、このバーディはセーフティーにいって長めのパットが入って獲得したもの。10番とは質が異なるバーディを獲得、全体的にパーをキープしながら耐えに耐えて、ここぞというときに果敢に攻める。難しいセッティングで強いというのは、このメリハリのあるプレースタイルにあると考えられます。
今回のメモリアルのように、最近のPGAツアーは全体的にセッティングが難しくなっています。選手たちは毎週メジャー大会をしているようだという意見もあります。難しいセッティングの試合が増えているのは、最近の傾向といえるでしょう。
それと流石だったのが、3位のスコッティ・シェフラー。予選ラウンドは74、73を叩き、カットラインギリギリで予選を通過したのですが、決勝ラウンドでは68、67をマークし、順位を3位まで上げてきました。常に世界ランキング上位にいる選手の凄さを見ました。今後の試合も注目です。
もう一人、個人的に注目していたのが、最終日に崩れて30位タイに沈んだマーク・ハバード。聞くところによると、今年から高い球を打つ練習に取り組んでいるそうです。もともとアメリカのコースはグリーン手前にハザードがあったり、花道のないグリーンが多く、上からドスンと落とすボールが必要になってくるのですが、今回のように固いグリーンになると余計に上から落とさなければいけなくなってしまう。今回は結果を残せませんでしたが、いつかその成果を発揮するときが来ると思います。
今週の全米オープンゴルフはタフなセッティングにより、我慢大会になることが予想されます。選手たちが普段のPGAツアーの試合で鍛えたスキルとメンタルが活かされることを願っています。
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