アマチュア競技・イベント
服部道子、畑岡奈紗、笹生優花も参戦したLPGAトッププロへの登竜門 歴史と伝統の「全米女子アマチュアゴルフ選手権」
2021年8月12日（木）午後3:40
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日本で稲見萌寧選手が東京2020の女子ゴルフで銀メダル獲得に沸いていたころ、アメリカでは世界最高峰の女子アマチュアゴルファーNo.1決定戦「第121回全米女子アマチュアゴルフ選手権（8月4日～8日／ウェストチェスターCC／ニューヨーク州）」が行われていました。LPGAトッププロへの登竜門ともいえる本大会について、米国在住のゴルフアナリスト・アンディ和田さんのリポートです。
東京オリンピック女子ゴルフ競技が行われた先週、アメリカでは女子アマ最高峰の「全米女子アマチュアゴルフ選手権」が開催されていました。今年は過去最高の1560人のエントリーがあり、北米で26試合の予選会場から本戦に勝ち上がった132名と予選免除の24名、合計156人が出場した第121回目という歴史と伝統の一戦です（対象はハンディキャップ5.4以下の女子アマチュアゴルファー）。
今年の舞台はアメリカ合衆国東部、ニューヨークの中心街から約40キロ北東にあるウエストチェスターカントリークラブ（西コース）。ここではPGAツアー競技が40年以上開催され、2015年には全米女子プロゴルフ選手権も開催された名門コースです。ここで優勝した選手は、アーノルド・パーマー、ジャック・ニクラウス、セベ・バレステロス、アーニー・エルスなどそうそうたる顔ぶればかり。今大会は6488ヤードという女子アマチュア競技では比較的長めの設定、加えてアップダウンのあるコース、深いラフ、硬め設定の高速グリーンは選手達を苦しめていました。
大会形式は36ホールのストロークプレーで、マッチプレー64名が決定し、6連勝した選手が優勝となります。決勝戦まで進むと計9ラウンドするという長丁場競技になりますが、今年の大会を制したのはケンタッキー大学のジェンセン・キャッスルというアメリカ人選手でした。
今年の大会に参戦した日本国籍の選手は2人いました。今年4月に開催されたオーガスタナショナル女子アマチュアゴルフ選手権で優勝した梶谷翼さん（17歳、滝川二高3年）。 そしてカリフォルニア州カールスバッド在住の鶴かれんさん（16歳）です。
梶谷さんは、フランス開催の女子プロゴルフメジャー大会「アムンディエビアン選手権」で48位という結果を残していましたが、今大会は通算10オーバー（77−77）と苦戦を強いられ、マッチプレー進出プレーオフに4打足りず予選落ちという結果に終わってしまいました。
今回はオーガスタナショナル女子アマでバッグを担いだチャド・ラムスバック氏と再タッグを組みましたが、上手く力を出し切ることができなかったようです。 本人は2日間のプレー終了後、「あまり相性が良いコースではないかな？と思っていましたが、それでも何とかなるかなとプレーしました。しかし何ともならず、バーディーの数は少ないし、初日はダブルボギーを2個打ったりしまいました。 調子が悪いときと重なって、ダメでしたね」と話していました。
キャディーのラムスバック氏は、「オーガスタではなかったショットもミスが数回あったけれど、そのミスをしっかりリカバリーできなかった。いくつかクラブ選択ミスは僕の責任だった」と説明していました。 同じ組でプレーをした全米学生優勝で世界アマランク2位のレイチェル・ヘックさんは「ツバサと回ったのははじめてだったけど、どんな結果であれ笑顔を絶やさないで目の前に集中してプレーする姿勢は、彼女の良い人柄がでていたと感じました」と教えてくれました。梶谷さんはこのあとAIG全英女子オープン出場の為、イギリスに向かうそうです。
また鶴かれんさんは、今年の夏から全国規模のジュニア大会に出場するようになったというジュニアゴルファーです。先月の全米ガールスジュニアではベスト8、ラスベガス開催のアメリカンジュニアゴルフ協会の試合に優勝するなどレベルアップを果たし、トップレベルの大学生が参戦するこの全米女子アマでマッチプレーに進出できたのは大きな自信になるでしょう。鶴さんはマッチプレー1回戦で優勝候補のR・ヘックと激突し7アンド5で敗退しました。
世界各地22ヶ国から集まった156名の戦いはまるでオリンピック競技のような国際色豊かなレベルの高い争いです。現在USLPGAツアーで戦う選手のほとんどがこの全米女子アマを経験しています。オリンピックで日本代表女子チームのコーチを務める服部道子さんがこの大会で優勝を飾ったのは1985年、彼女が17歳の時でした。
今年の全米女子オープンは笹生優花さんが畑岡奈紗さんを下し栄冠を勝ち取りましたが、この2人は2016年全米女子アマチュア準々決勝で激突し、笹生さんが1アップで勝ち上がっていました。 今回この大会に出場していた選手がしっかりとレベルアップし近い将来、3年から5年後にはLPGAツアーに昇格し活躍していることでしょう。
＜文章・写真：アンディ和田（在米ゴルフアナリスト）＞
国際色豊かな全米女子アマに日本人選手2名が挑戦
東京オリンピック女子ゴルフ競技が行われた先週、アメリカでは女子アマ最高峰の「全米女子アマチュアゴルフ選手権」が開催されていました。今年は過去最高の1560人のエントリーがあり、北米で26試合の予選会場から本戦に勝ち上がった132名と予選免除の24名、合計156人が出場した第121回目という歴史と伝統の一戦です（対象はハンディキャップ5.4以下の女子アマチュアゴルファー）。
今年の舞台はアメリカ合衆国東部、ニューヨークの中心街から約40キロ北東にあるウエストチェスターカントリークラブ（西コース）。ここではPGAツアー競技が40年以上開催され、2015年には全米女子プロゴルフ選手権も開催された名門コースです。ここで優勝した選手は、アーノルド・パーマー、ジャック・ニクラウス、セベ・バレステロス、アーニー・エルスなどそうそうたる顔ぶればかり。今大会は6488ヤードという女子アマチュア競技では比較的長めの設定、加えてアップダウンのあるコース、深いラフ、硬め設定の高速グリーンは選手達を苦しめていました。
大会形式は36ホールのストロークプレーで、マッチプレー64名が決定し、6連勝した選手が優勝となります。決勝戦まで進むと計9ラウンドするという長丁場競技になりますが、今年の大会を制したのはケンタッキー大学のジェンセン・キャッスルというアメリカ人選手でした。
今年の大会に参戦した日本国籍の選手は2人いました。今年4月に開催されたオーガスタナショナル女子アマチュアゴルフ選手権で優勝した梶谷翼さん（17歳、滝川二高3年）。 そしてカリフォルニア州カールスバッド在住の鶴かれんさん（16歳）です。
梶谷さんは、フランス開催の女子プロゴルフメジャー大会「アムンディエビアン選手権」で48位という結果を残していましたが、今大会は通算10オーバー（77−77）と苦戦を強いられ、マッチプレー進出プレーオフに4打足りず予選落ちという結果に終わってしまいました。
今回はオーガスタナショナル女子アマでバッグを担いだチャド・ラムスバック氏と再タッグを組みましたが、上手く力を出し切ることができなかったようです。 本人は2日間のプレー終了後、「あまり相性が良いコースではないかな？と思っていましたが、それでも何とかなるかなとプレーしました。しかし何ともならず、バーディーの数は少ないし、初日はダブルボギーを2個打ったりしまいました。 調子が悪いときと重なって、ダメでしたね」と話していました。
キャディーのラムスバック氏は、「オーガスタではなかったショットもミスが数回あったけれど、そのミスをしっかりリカバリーできなかった。いくつかクラブ選択ミスは僕の責任だった」と説明していました。 同じ組でプレーをした全米学生優勝で世界アマランク2位のレイチェル・ヘックさんは「ツバサと回ったのははじめてだったけど、どんな結果であれ笑顔を絶やさないで目の前に集中してプレーする姿勢は、彼女の良い人柄がでていたと感じました」と教えてくれました。梶谷さんはこのあとAIG全英女子オープン出場の為、イギリスに向かうそうです。
また鶴かれんさんは、今年の夏から全国規模のジュニア大会に出場するようになったというジュニアゴルファーです。先月の全米ガールスジュニアではベスト8、ラスベガス開催のアメリカンジュニアゴルフ協会の試合に優勝するなどレベルアップを果たし、トップレベルの大学生が参戦するこの全米女子アマでマッチプレーに進出できたのは大きな自信になるでしょう。鶴さんはマッチプレー1回戦で優勝候補のR・ヘックと激突し7アンド5で敗退しました。
世界各地22ヶ国から集まった156名の戦いはまるでオリンピック競技のような国際色豊かなレベルの高い争いです。現在USLPGAツアーで戦う選手のほとんどがこの全米女子アマを経験しています。オリンピックで日本代表女子チームのコーチを務める服部道子さんがこの大会で優勝を飾ったのは1985年、彼女が17歳の時でした。
今年の全米女子オープンは笹生優花さんが畑岡奈紗さんを下し栄冠を勝ち取りましたが、この2人は2016年全米女子アマチュア準々決勝で激突し、笹生さんが1アップで勝ち上がっていました。 今回この大会に出場していた選手がしっかりとレベルアップし近い将来、3年から5年後にはLPGAツアーに昇格し活躍していることでしょう。
＜文章・写真：アンディ和田（在米ゴルフアナリスト）＞
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