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技術と自信、少しの幸運が重なったPGAツアー初優勝─ 松山英樹と進藤大典の2041日
2020年1月1日(水)午前0:00
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2041日。これは、ゴルフ世界最高峰のフィールド「PGAツアー」で戦っている松山英樹と、同じ東北福祉大学の先輩にあたるプロキャディの進藤大典が専属契約を結んでバックを担ぎ、コンビを組んでいた期間の日数だ。
日本人選手最多のPGAツアー5勝を挙げている松山と、その5試合すべてでバッグを担いでいた進藤。2018年11月に専属契約を解消して約1年、松山は2019年も優勝には手が届かなかったが、PGAツアー最終戦「ツアーチャンピオンシップ」に6年連続で出場し、PGAツアー日本初開催となったZOZOチャンピオンシップではタイガー・ウッズに最後まで喰らいつき2位の成績をあげるなど、確かな実力を見せ続けた。
一方の進藤はインサイドロープから離れ、1年間外から松山を見続けてきた。その2人が、CS放送ゴルフネットワークの特別番組「DAYS-2041-松山英樹と進藤大典」のなかで、コンビを組んで勝利した試合の映像を、国際映像のほか独自カメラの映像も交えて膝を突き合わせながら振り返った。
ここでは、そのなかからPGAツアー初優勝を遂げた2014年6月「ザ・メモリアルトーナメント」最終日を観ていたときの様子をお届けする。フランクに話し合う2人の様子から、世界トップクラスのツアープロとキャディがプレー中に考えていることの一旦を垣間見ることができる貴重な対談となった。
首位と2打差の3位で迎えた最終日。同じ組で回ったのは、マスターズチャンピオンのアダム・スコット(オーストラリア)。2013年、同じミュアフィールドビレッジで開催されたザ・プレジデンツカップで世界選抜のチームメイトだった彼が、松山の勝利にひとつの鍵を持っていた。
進藤 「この時、大会前から結構(優勝を)狙ってたよね?」
松山 「状態良くなって来てたからね。前の週が良かったじゃん、コロニアルで(クラウンプラザインビテーショナル)。」
進藤 「初めての最終日最終組で、雰囲気感じてね」
松山 「(この日の同組が)アダムっていうのがよかったよね。いま思い出した。12番(パー3/177ヤード)はアダムが先に打ったから池に入れなかったようなもんだよね」
進藤 「(アダムが)先に打って右の池に入って」
松山 「アダムがフェードを打って。低い球で。俺は多分9番アイアンで打った記憶あるけど」
進藤 「そんな短いクラブで打ったっけ?8番とかそんなんだったよね」
松山 「170(ヤード)くらいあって、めっちゃ風強かったよね」
進藤 「風はフォローだったよね」
松山 「確か、アダムが8番でカットに打って池に入ったんですよ。ちょっと当たりが薄くて。だから、風が強いから9番でガッツリ・・・(映像をみながら)これじゃない?」
進藤 「おお、よく撮ってあったね」
松山 「(自分のショットを観て)ティも前じゃないね。強いフェードだね、飛ばしに行ってるフェード。最後『ダウン(早く地面に落ちろ)』って言ってるね」
上位陣が崩れる中、松山は一時単独首位に立つも、16番、17番でスコアを落とし、最終18番はバーディ必須の状況に立たされた。
進藤 「これさ・・・、セカンド打つ時とパター打つ時、どんな気持ちだったの?」
松山 「セカンドは、自信あった」
進藤 「イメージ出てたんだ」
松山 「出てた。風が右からのアゲンストか横風かで、(残り距離が)170・・・」
進藤 「5、6とか」
松山 「数字は165ヤードだったんだよね。で、アップ(上り傾斜)がプラス7〜8ヤードで173とかで、7番のちょい抑えからで右からのドローっていうのは凄いイメージ出来てて。あそこ、(クラブハウスの)時計台あるじゃん。時計台に打ち出して勝手に戻ってくるっていうイメージだったから、『ああ、大丈夫。つけれる』って思って。だけど、あのパターは凄い嫌だった]
進藤 「上りのフックの2mくらい。あれ難しかったよね」
松山 「前のホールでひっかけで外してるから、『引っ掛けたらあかん!』と」
進藤 「これ長ったよね・・・いや短いんだけど、長く感じた」
松山 「でもこれ、(ライン上に自分の)影があってよかったと思って」
進藤 「え、なんで?」
松山 「集中できた。狙い目のところにポアナ(芝、生えるスピードが早くグリーンに小さな凹凸を生む)のポツポツがあったんだけど。『ボール1個くらいフックだよねー』とか話してたと思うんだけど」
進藤 「うん、覚えてる」
松山 「『外すならボール1個だよね』と言っていたところにポツポツとあったんだけど、晴れてたら見えにくくなるじゃない、光るから。影になってくれたから見やすかったんだよね。それは凄く良かったと思って」
進藤 「ど真ん中から入ったもんね」
この一打で勝負をプレーオフに持ち込み、1ホール目でケビン・ナを下して日本人4人目のPGAツアー優勝を果たした。
このほか番組では、そのザ・メモリアル・トーナメント1日目に起きていたあるアクシデントや、2016年・17年と連覇を果たしたウェイスとマネジメントフェニックス・オープン、最終日にタイガーに並ぶコースレコード「61」をマークした2017年のWGC-ブリヂストンインビテーショナルを振り返っている。
「DAYS-2041-松山英樹と進藤大典」は、CS放送ゴルフネットワークで1月1日よる8時から初回放送する。
日本人選手最多のPGAツアー5勝を挙げている松山と、その5試合すべてでバッグを担いでいた進藤。2018年11月に専属契約を解消して約1年、松山は2019年も優勝には手が届かなかったが、PGAツアー最終戦「ツアーチャンピオンシップ」に6年連続で出場し、PGAツアー日本初開催となったZOZOチャンピオンシップではタイガー・ウッズに最後まで喰らいつき2位の成績をあげるなど、確かな実力を見せ続けた。
一方の進藤はインサイドロープから離れ、1年間外から松山を見続けてきた。その2人が、CS放送ゴルフネットワークの特別番組「DAYS-2041-松山英樹と進藤大典」のなかで、コンビを組んで勝利した試合の映像を、国際映像のほか独自カメラの映像も交えて膝を突き合わせながら振り返った。
ここでは、そのなかからPGAツアー初優勝を遂げた2014年6月「ザ・メモリアルトーナメント」最終日を観ていたときの様子をお届けする。フランクに話し合う2人の様子から、世界トップクラスのツアープロとキャディがプレー中に考えていることの一旦を垣間見ることができる貴重な対談となった。
「(同組が)アダムっていうのがよかったよね」
首位と2打差の3位で迎えた最終日。同じ組で回ったのは、マスターズチャンピオンのアダム・スコット(オーストラリア)。2013年、同じミュアフィールドビレッジで開催されたザ・プレジデンツカップで世界選抜のチームメイトだった彼が、松山の勝利にひとつの鍵を持っていた。
進藤 「この時、大会前から結構(優勝を)狙ってたよね?」
松山 「状態良くなって来てたからね。前の週が良かったじゃん、コロニアルで(クラウンプラザインビテーショナル)。」
進藤 「初めての最終日最終組で、雰囲気感じてね」
松山 「(この日の同組が)アダムっていうのがよかったよね。いま思い出した。12番(パー3/177ヤード)はアダムが先に打ったから池に入れなかったようなもんだよね」
進藤 「(アダムが)先に打って右の池に入って」
松山 「アダムがフェードを打って。低い球で。俺は多分9番アイアンで打った記憶あるけど」
進藤 「そんな短いクラブで打ったっけ?8番とかそんなんだったよね」
松山 「170(ヤード)くらいあって、めっちゃ風強かったよね」
進藤 「風はフォローだったよね」
松山 「確か、アダムが8番でカットに打って池に入ったんですよ。ちょっと当たりが薄くて。だから、風が強いから9番でガッツリ・・・(映像をみながら)これじゃない?」
進藤 「おお、よく撮ってあったね」
松山 「(自分のショットを観て)ティも前じゃないね。強いフェードだね、飛ばしに行ってるフェード。最後『ダウン(早く地面に落ちろ)』って言ってるね」
「セカンドは自信あった。『ああ、大丈夫。つけれる』って」
上位陣が崩れる中、松山は一時単独首位に立つも、16番、17番でスコアを落とし、最終18番はバーディ必須の状況に立たされた。
進藤 「これさ・・・、セカンド打つ時とパター打つ時、どんな気持ちだったの?」
松山 「セカンドは、自信あった」
進藤 「イメージ出てたんだ」
松山 「出てた。風が右からのアゲンストか横風かで、(残り距離が)170・・・」
進藤 「5、6とか」
松山 「数字は165ヤードだったんだよね。で、アップ(上り傾斜)がプラス7〜8ヤードで173とかで、7番のちょい抑えからで右からのドローっていうのは凄いイメージ出来てて。あそこ、(クラブハウスの)時計台あるじゃん。時計台に打ち出して勝手に戻ってくるっていうイメージだったから、『ああ、大丈夫。つけれる』って思って。だけど、あのパターは凄い嫌だった]
進藤 「上りのフックの2mくらい。あれ難しかったよね」
松山 「前のホールでひっかけで外してるから、『引っ掛けたらあかん!』と」
進藤 「これ長ったよね・・・いや短いんだけど、長く感じた」
松山 「でもこれ、(ライン上に自分の)影があってよかったと思って」
進藤 「え、なんで?」
松山 「集中できた。狙い目のところにポアナ(芝、生えるスピードが早くグリーンに小さな凹凸を生む)のポツポツがあったんだけど。『ボール1個くらいフックだよねー』とか話してたと思うんだけど」
進藤 「うん、覚えてる」
松山 「『外すならボール1個だよね』と言っていたところにポツポツとあったんだけど、晴れてたら見えにくくなるじゃない、光るから。影になってくれたから見やすかったんだよね。それは凄く良かったと思って」
進藤 「ど真ん中から入ったもんね」
この一打で勝負をプレーオフに持ち込み、1ホール目でケビン・ナを下して日本人4人目のPGAツアー優勝を果たした。
このほか番組では、そのザ・メモリアル・トーナメント1日目に起きていたあるアクシデントや、2016年・17年と連覇を果たしたウェイスとマネジメントフェニックス・オープン、最終日にタイガーに並ぶコースレコード「61」をマークした2017年のWGC-ブリヂストンインビテーショナルを振り返っている。
「DAYS-2041-松山英樹と進藤大典」は、CS放送ゴルフネットワークで1月1日よる8時から初回放送する。
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