ギア
重視すべきは性能を決める“設計思想” ファウラーにみるツアーボールの構造と特性
2019年4月11日(木)午後6:20
CS放送ゴルフネットワークで放送中の番組「みんなのPGAツアー」で、PGAツアー出場選手の気になるギアを紹介する「みんなのギア情報局」。ギアライターのコヤマカズヒロさんが解説します。今回のテーマはプロが使用するボールについてです。
プロが使用するツアーボールはスピン系と呼ばれ、カバーにウレタン素材を採用しているのですが、このウレタンカバーには2種類あります。
ひとつは「TPU」と言って、高温に溶かした樹脂を冷却して硬化するタイプです。タイガー・ウッズ選手が愛用するブリヂストン、松山英樹選手が使用するスリクソンがこのタイプです。
もうひとつは「TSU」と言って、液体状のウレタン素材を熱を加えて固めるタイプです。ファウラー選手がジュニア時代から使っていたタイトリスト、そして今回新たに契約したテーラーメイド「TP5x」も同じ製法で作られています。ですので、きっとフィーリングにも似た部分があり、スイッチし易かったのではと思います。
もちろんそれぞれ一長一短はあります。「TSU」は、かつてはカバーを薄く作ることが出来るというのがメリットでしたが、現在は「TPU」でもだいぶ薄く作ることが出来るようになっています。
それよりも重視したいのは性能を決める“設計思想”の部分。よく知られているように、ボールは多層構造になっています。ツアー系のボールは常に3ピース以上の構造です。
これはなぜかというと、アプローチなどでは表面のウレタンカバーによってスピンが効きやすくなりボールが止まります。ドライバーでは中間層が弾き、真ん中のコアの部分がグシャッと潰れて低スピンになるように設計されているからなのです。
「TP5x」はその名の通り5ピース構造です。層を増やすことによって、実際にファウラー選手はこのボールに変えてから、ロングアイアンで飛距離が5ヤード伸びたとコメントしているのですが、これは「TP5x」がロングアイアンの領域でよりスピンを減らす特性があるからだと思われます。
ただ、全ての人に当てはまるかというとそうではありません。例えばボールが上がらない人にとっては、スピンがより入るボールの方が合う可能性があります。自分のスピン量やボールスピード合わせて選ぶことがポイントです。
(写真:Getty Images)
ウレタンカバーを使うスピン系ボールの製法は2種類
2月のウェイストマネジメントフェニックス・オープンで優勝したリッキー・ファウラー選手は、1月にテーラーメイドとのボール契約を発表したのですが、今回注目するギアはそのボールです。プロが使用するツアーボールはスピン系と呼ばれ、カバーにウレタン素材を採用しているのですが、このウレタンカバーには2種類あります。
ひとつは「TPU」と言って、高温に溶かした樹脂を冷却して硬化するタイプです。タイガー・ウッズ選手が愛用するブリヂストン、松山英樹選手が使用するスリクソンがこのタイプです。
もうひとつは「TSU」と言って、液体状のウレタン素材を熱を加えて固めるタイプです。ファウラー選手がジュニア時代から使っていたタイトリスト、そして今回新たに契約したテーラーメイド「TP5x」も同じ製法で作られています。ですので、きっとフィーリングにも似た部分があり、スイッチし易かったのではと思います。
もちろんそれぞれ一長一短はあります。「TSU」は、かつてはカバーを薄く作ることが出来るというのがメリットでしたが、現在は「TPU」でもだいぶ薄く作ることが出来るようになっています。
それよりも重視したいのは性能を決める“設計思想”の部分。よく知られているように、ボールは多層構造になっています。ツアー系のボールは常に3ピース以上の構造です。
これはなぜかというと、アプローチなどでは表面のウレタンカバーによってスピンが効きやすくなりボールが止まります。ドライバーでは中間層が弾き、真ん中のコアの部分がグシャッと潰れて低スピンになるように設計されているからなのです。
「TP5x」はその名の通り5ピース構造です。層を増やすことによって、実際にファウラー選手はこのボールに変えてから、ロングアイアンで飛距離が5ヤード伸びたとコメントしているのですが、これは「TP5x」がロングアイアンの領域でよりスピンを減らす特性があるからだと思われます。
ただ、全ての人に当てはまるかというとそうではありません。例えばボールが上がらない人にとっては、スピンがより入るボールの方が合う可能性があります。自分のスピン量やボールスピード合わせて選ぶことがポイントです。
(写真:Getty Images)
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