国内男子
賞金王の金言に研鑽を重ねる今季好調の“孔明グループ“ 小田孔明と秋吉翔太のラウンジトーク
2018年11月24日(土)午後0:00
今年初優勝が多かった国内男子ツアーもなかで、今季2勝をあげ全米オープン、全英オープンと2つのメジャーにも出場するなど一番のシンデレラ・ボーイといえる秋吉翔太。その秋吉が慕うのは、同じ九州出身という縁のある2014年賞金王の小田孔明。そんな二人が、CS放送「ゴルフネットワーク」で放送中の番組「ゴルフ真剣勝負 the MATCH」の中でラウンジトーク、その出会いから現在の関係について語り合いました。
秋吉 そもそもはまーさん(現在時松隆光プロのキャディを務める吉岡雅子さん)の紹介ですよ。孔明さんにお世話になる前は、(出水田)大二郎や(香妻)陣一朗といった九州出身の若手とばっかりラウンドしていたんですけど、マーさんに、「レベルアップしたいんだったら、別の人とも回ったほうがいいよ」ってアドバイスされて。「九州出身だったら孔明がいいんじゃないの?」って連絡までしてくれたんですよ。
小田 そうだったね。
秋吉 孔明さんが快く引き受けてくれたんで今に至るわけですけど、最初に僕と会ったときのこと覚えています?
小田 覚えているよ。しゃべりでよく噛むやつだなと(笑)。けど、ゴルフはいいものを持っているなと思ったよ。
秋吉 僕はそれなりに緊張しましたよ。同じ九州出身といっても年はひと回り以上違うし、目の前にいるのは賞金王ですからね。
小田 オレってそんなに怖い?
秋吉 いえ、怖くないです(笑)。
小田 だよね。でも、みんな近づいてきてくれないんだよね。こんなに優しくてフレンドリーなのに(笑)。
秋吉 ただ、試合のときは怖いですよね。近づき難い雰囲気があるというか。
小田 そうかな。いつも穏やかなんだけどな(笑)。
秋吉 “孔明グループ”もいつの間にか巨大になりましたね。
小田 ホントたくさんいるよね。翔太が来て、翔太が大二郎を誘ってとみんなが誘い合ったこともあって、今や13人もいるからね。ただ、グループといっても一丸となって何かに立ち向かうって組織じゃなく、所詮はワイワイやるってグループだけどね。“孔明グループ”なんて呼ばれかたをしているけど、オレにしてもプロであるみんなに対して技術的なことをとやかく言うことはないしね。アドバイスするといってもコースマネージメントぐらいだよね。
秋吉 でも、孔明グループは快調ですよね。僕が2勝、大二郎も優勝したし。
小田 地方オープンで勝ったやつもいるしね。みんなが切磋琢磨して強くなっていくのは大事なこと。その分、オレのパワーが吸い取られているような感じがするんだけどな(笑)。
秋吉 ホントいい雰囲気になっています。
小田 ただ、仲間内で楽しくやっているのはどうしても限界があると思うよ。だからみんなには強い人に学んでもらいたいんだよね。特に、口が酸っぱくなるほど言っているのは、これはというプロに練習ラウンドをしてもらえってこと。ツアーには素晴らしい技術を持ったプロがたくさんいるわけで、上手くなるためにはそういう人たちの技術を学ぶことが大切なんだよ。
秋吉 「頭を下げて頼んでこい」ってよくおっしゃってますよね。
小田 そう。頭を下げてって言ってるけど、基本的にプロゴルファーって優しい人ばかりだからね。「お願いします」と言って「嫌だ」という人は一人もいない。ましてや「孔明に可愛がってもらっている」と言えば、話が早い。“孔明グループ”の存在意義もそういうところにあると思うんだよね。
秋吉 確かに、孔明グループに入ってもラウンドしている連中が大二郎だったり陣一朗だったら3年前と同じなわけですからね。
小田 そうそう。いつも同じメンバーとやっていたら、その中でしか力量が測れなくなるからいつまで経っても強くなれない。だからどんどん出ていかないと。頼みづらいときはオレが頼んであげてもいいと思っている。
秋吉 どの人にお願いするかというのも重要ですよね。
小田 基本的には、「あの人のあのプレーは凄い」と思ったら、その人にお願いしてその部分だけを盗めばいいのよ。たとえば、谷口(徹)さんのアプローチとかね。ドライバーは誰々、アイアンは誰々というようにいいとこ取りをしていけばいいんだよ。
秋吉 孔明さんって本当にいい先輩ですよね。
小田 だろう? そのあたりのことがみんな分かってくれてないんだよな(笑)。
秋吉 いや~、大変でした。まずフェアウェイが硬いのにビックリしました。落ちどころによってはどこまでも転がっていきますからね。ドライバーで400ヤード以上いったことも。しかも今年の開催コースのカーヌスティーはうねりもあったので、どこに転がっていくか分からない。
小田 オレも全英は5回出たけど、簡単に予選を通過できるという大会じゃないよね。オレが苦しんだのは風。最初は2009年のターンベリーだったんだけど、とにかく風に悩まされた。左に海が広がるホールがあるんだけど、海に向かって打たないとフェアウェイに乗らなかったからね。ほとんどの選手が、フェアウェイを狙って打っては右のラフにつかまるの繰り返し。しかもそのラフが深くて、あれだけ大勢の人が見ているのにボールが見つからないんだもんな。
秋吉 あと、アプローチも難しいですよね。
小田 そうそう。全英に出て感じたのは、アプローチに関しては日本人と外国人選手との間に圧倒的な差があるってことね。世界のトッププロはあんな硬いところからでもフワッとボールを上げるからね。また、傾斜のきついところではパターを使って30~40メートルをきっちり転がす。6番アイアンで転がしてピンに寄せることもあるからね。オレなんかSWで20ヤードショートしたり、ロブショットをしようとしてバンスが弾かれたり。そんなことやっていたら予選に通るわけないよね。考えてみたら、日本でもアプローチの上手い人はメジャー経験者が多い。何事も経験だね。翔太も相当苦しんだんじゃない?
秋吉 確かに苦しみましたね。5番アイアンでのアプローチをぶっつけ本番でやったりもしました。
小田 急にやったって無理だろう?
秋吉 それができちゃったんですね(笑)。
小田 翔太らしいね(笑)。
秋吉 ただ、結果はボギーでしたけど(笑)。
小田 そのあたりも翔太らしいね。
小田 今シーズンは2つ勝って、目標としていたゴルフ日本シリーズJTカップの出場権も獲得して、もう言うことないね。あとは、いつ賞金王になれるかってところなんじゃない?
秋吉 賞金王か。取りたいですね。孔明さんは狙って取ったんですか?
小田 狙っていたね。プロゴルファーになった以上、一度は取りたいと思っていたタイトルだからね。賞金王になったのが2014年だったんだけど、その前年から「年齢的にもこの2年の間に取らなきゃ厳しくなるぞ」って自分にプレッシャーを掛けていたし、メディアにもそう宣言していたからね。
秋吉 有言実行ですね。
小田 そもそも賞金王というのは、最初からその気持ちがなければ取れないと思うよ。また、シーズン中も常に賞金王を意識しないとね。たとえばオレが取った年は、日本シリーズの時点で4人が射程圏内でね。初日は、賞金ランク1、2、3位が最終組で回るわけよ。そのとき思ったのが、初日でこの2人に差をつけておかないと賞金王は見えてこないなってこと。そういう意識を持って臨んだのが良かったのか、初日にトップに立って、結果的にそれが賞金王につながったんだと思うんだよね。とにかく人より1円でも多く稼ぐという気持ちが大事なんだよ。
秋吉 肝に銘じます。
小田 ところで、翔太は座右の銘みたいなものはあるの?
秋吉 座右の銘と言えるのかどうかは分かりませんが、好きな言葉は“運”ですね。何事も運だと思っているんで。今季の2勝も運だと思うし。
小田 確かに勝負の世界で運は必要だね。運は実力のうちとも言うし。
秋吉 孔明さんは?
小田 オレは“勝”。勝負師だからね。やっぱり勝たないと。
秋吉 なんと言っても“孔明グループ”の大将ですからね。みんな勝って欲しいと思っています。
小田 確かに偉そうなこと言いながら2014年を最後に優勝がないからね。みんなの期待に応えられるよう頑張ります!(笑)
2人の関係はあるキャディさんのアドバイスから
小田 翔太と一緒に練習するようになったのは3年前からだよね。きっかけは何だったっけ?秋吉 そもそもはまーさん(現在時松隆光プロのキャディを務める吉岡雅子さん)の紹介ですよ。孔明さんにお世話になる前は、(出水田)大二郎や(香妻)陣一朗といった九州出身の若手とばっかりラウンドしていたんですけど、マーさんに、「レベルアップしたいんだったら、別の人とも回ったほうがいいよ」ってアドバイスされて。「九州出身だったら孔明がいいんじゃないの?」って連絡までしてくれたんですよ。
小田 そうだったね。
秋吉 孔明さんが快く引き受けてくれたんで今に至るわけですけど、最初に僕と会ったときのこと覚えています?
小田 覚えているよ。しゃべりでよく噛むやつだなと(笑)。けど、ゴルフはいいものを持っているなと思ったよ。
秋吉 僕はそれなりに緊張しましたよ。同じ九州出身といっても年はひと回り以上違うし、目の前にいるのは賞金王ですからね。
小田 オレってそんなに怖い?
秋吉 いえ、怖くないです(笑)。
小田 だよね。でも、みんな近づいてきてくれないんだよね。こんなに優しくてフレンドリーなのに(笑)。
秋吉 ただ、試合のときは怖いですよね。近づき難い雰囲気があるというか。
小田 そうかな。いつも穏やかなんだけどな(笑)。
「いつも同じメンバーとやっていたらその中でしか力量が測れない」
秋吉 “孔明グループ”もいつの間にか巨大になりましたね。
小田 ホントたくさんいるよね。翔太が来て、翔太が大二郎を誘ってとみんなが誘い合ったこともあって、今や13人もいるからね。ただ、グループといっても一丸となって何かに立ち向かうって組織じゃなく、所詮はワイワイやるってグループだけどね。“孔明グループ”なんて呼ばれかたをしているけど、オレにしてもプロであるみんなに対して技術的なことをとやかく言うことはないしね。アドバイスするといってもコースマネージメントぐらいだよね。
秋吉 でも、孔明グループは快調ですよね。僕が2勝、大二郎も優勝したし。
小田 地方オープンで勝ったやつもいるしね。みんなが切磋琢磨して強くなっていくのは大事なこと。その分、オレのパワーが吸い取られているような感じがするんだけどな(笑)。
秋吉 ホントいい雰囲気になっています。
小田 ただ、仲間内で楽しくやっているのはどうしても限界があると思うよ。だからみんなには強い人に学んでもらいたいんだよね。特に、口が酸っぱくなるほど言っているのは、これはというプロに練習ラウンドをしてもらえってこと。ツアーには素晴らしい技術を持ったプロがたくさんいるわけで、上手くなるためにはそういう人たちの技術を学ぶことが大切なんだよ。
秋吉 「頭を下げて頼んでこい」ってよくおっしゃってますよね。
小田 そう。頭を下げてって言ってるけど、基本的にプロゴルファーって優しい人ばかりだからね。「お願いします」と言って「嫌だ」という人は一人もいない。ましてや「孔明に可愛がってもらっている」と言えば、話が早い。“孔明グループ”の存在意義もそういうところにあると思うんだよね。
秋吉 確かに、孔明グループに入ってもラウンドしている連中が大二郎だったり陣一朗だったら3年前と同じなわけですからね。
小田 そうそう。いつも同じメンバーとやっていたら、その中でしか力量が測れなくなるからいつまで経っても強くなれない。だからどんどん出ていかないと。頼みづらいときはオレが頼んであげてもいいと思っている。
秋吉 どの人にお願いするかというのも重要ですよね。
小田 基本的には、「あの人のあのプレーは凄い」と思ったら、その人にお願いしてその部分だけを盗めばいいのよ。たとえば、谷口(徹)さんのアプローチとかね。ドライバーは誰々、アイアンは誰々というようにいいとこ取りをしていけばいいんだよ。
秋吉 孔明さんって本当にいい先輩ですよね。
小田 だろう? そのあたりのことがみんな分かってくれてないんだよな(笑)。
難しかった全英オープン ぶっつけ本番は「できちゃった」
小田 ところで初の全英オープンはどうだった?秋吉 いや~、大変でした。まずフェアウェイが硬いのにビックリしました。落ちどころによってはどこまでも転がっていきますからね。ドライバーで400ヤード以上いったことも。しかも今年の開催コースのカーヌスティーはうねりもあったので、どこに転がっていくか分からない。
小田 オレも全英は5回出たけど、簡単に予選を通過できるという大会じゃないよね。オレが苦しんだのは風。最初は2009年のターンベリーだったんだけど、とにかく風に悩まされた。左に海が広がるホールがあるんだけど、海に向かって打たないとフェアウェイに乗らなかったからね。ほとんどの選手が、フェアウェイを狙って打っては右のラフにつかまるの繰り返し。しかもそのラフが深くて、あれだけ大勢の人が見ているのにボールが見つからないんだもんな。
秋吉 あと、アプローチも難しいですよね。
小田 そうそう。全英に出て感じたのは、アプローチに関しては日本人と外国人選手との間に圧倒的な差があるってことね。世界のトッププロはあんな硬いところからでもフワッとボールを上げるからね。また、傾斜のきついところではパターを使って30~40メートルをきっちり転がす。6番アイアンで転がしてピンに寄せることもあるからね。オレなんかSWで20ヤードショートしたり、ロブショットをしようとしてバンスが弾かれたり。そんなことやっていたら予選に通るわけないよね。考えてみたら、日本でもアプローチの上手い人はメジャー経験者が多い。何事も経験だね。翔太も相当苦しんだんじゃない?
秋吉 確かに苦しみましたね。5番アイアンでのアプローチをぶっつけ本番でやったりもしました。
小田 急にやったって無理だろう?
秋吉 それができちゃったんですね(笑)。
小田 翔太らしいね(笑)。
秋吉 ただ、結果はボギーでしたけど(笑)。
小田 そのあたりも翔太らしいね。
狙って獲った賞金王
小田 今シーズンは2つ勝って、目標としていたゴルフ日本シリーズJTカップの出場権も獲得して、もう言うことないね。あとは、いつ賞金王になれるかってところなんじゃない?
秋吉 賞金王か。取りたいですね。孔明さんは狙って取ったんですか?
小田 狙っていたね。プロゴルファーになった以上、一度は取りたいと思っていたタイトルだからね。賞金王になったのが2014年だったんだけど、その前年から「年齢的にもこの2年の間に取らなきゃ厳しくなるぞ」って自分にプレッシャーを掛けていたし、メディアにもそう宣言していたからね。
秋吉 有言実行ですね。
小田 そもそも賞金王というのは、最初からその気持ちがなければ取れないと思うよ。また、シーズン中も常に賞金王を意識しないとね。たとえばオレが取った年は、日本シリーズの時点で4人が射程圏内でね。初日は、賞金ランク1、2、3位が最終組で回るわけよ。そのとき思ったのが、初日でこの2人に差をつけておかないと賞金王は見えてこないなってこと。そういう意識を持って臨んだのが良かったのか、初日にトップに立って、結果的にそれが賞金王につながったんだと思うんだよね。とにかく人より1円でも多く稼ぐという気持ちが大事なんだよ。
秋吉 肝に銘じます。
小田 ところで、翔太は座右の銘みたいなものはあるの?
秋吉 座右の銘と言えるのかどうかは分かりませんが、好きな言葉は“運”ですね。何事も運だと思っているんで。今季の2勝も運だと思うし。
小田 確かに勝負の世界で運は必要だね。運は実力のうちとも言うし。
秋吉 孔明さんは?
小田 オレは“勝”。勝負師だからね。やっぱり勝たないと。
秋吉 なんと言っても“孔明グループ”の大将ですからね。みんな勝って欲しいと思っています。
小田 確かに偉そうなこと言いながら2014年を最後に優勝がないからね。みんなの期待に応えられるよう頑張ります!(笑)
関連番組
ゴルフ真剣勝負 the MATCH〜小田孔明vs秋吉翔太〜