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「ジャンボさん、オレ、グレッグ・ノーマン」「よくその中にいたね(笑)」加瀬秀樹と高見和宏のラウンジトーク
2018年10月22日(月)午後0:00
同い年でシニアツアーで活躍している加瀬秀樹プロと高見和宏プロ。CS放送「ゴルフネットワーク」の番組「ゴルフ真剣勝負 the MATCH」のなかでラウンジトーク。プロゴルファーとしてだけでなく「ゴクローサンズ」というバンドメンバー(加瀬プロはボーカル、高見プロはMC)としても活動しているという二人が、その出会いから、"神様"というジャンボ尾崎という存在、シニアツアーのことなどざっくばらんに語り合ってくれました。
高見 秀ちゃんとは同じ年なんだけど、付き合いも長いよね。オレがゴルフを始めたのは19歳のときで、最初は習志野(カントリークラブ)で林由郎さんにお世話になったんだけど、秀ちゃんのお師匠さんの中山徹さんも長太郎(CC)に移る前は習志野にいたからね。秀ちゃんのほうが2年ほどスタートが早く、オレ的にはこの世界に入ったときから知っている顔って感じかな。
加瀬 お互い今年で59歳だからもう40年か。長いよね。
高見 そういえばプロテストを一緒に受けたこともあったんだよな。最後に残ったのが8人で、受かったのが秀ちゃんだけ。
加瀬 やけに古いこと覚えてるな(笑)。
高見 そのあとオレがプロになってミズノ新人戦で優勝争いをしたとき、秀ちゃんと中山さんが応援してくれたというのも忘れられないなあ。実際、2人がオレのことを応援しに来てくれたのかどうかはわからないけど、優勝した瞬間、「やったね!」、「おめでとう」って言葉をかけてもらって、秀ちゃんとの距離もグッと縮まったような気がする。
加瀬 そんなこともあったね。
高見 プロになってジャンボ軍団に入ってからも、長太郎にお邪魔して練習をさせてもらったしね。練習のあと、大男3人がチョコレートパフェを食べながらゴルフの話をしていたのも今となってはいい思い出だよ(笑)。
加瀬 ボクの思い出は習志野の近くにあった練習場だな。研修生の頃、時々中山さんと一緒に習志野に行ったんだけど、習志野の人って日が沈んでからはコースの近くにある練習場で練習していたじゃない。あれが羨ましくてね。
高見 長太郎は近くに練習場がなかったんだ。
加瀬 そう。だから暗くなったら、9番と18番の照明の下で球を打っていたんだけど、それも消えたら終わりだからね。その点、習志野の人は寝るまで打てるわけだから練習量が大きく違ってくる。羨ましいと同時に、そのことが刺激にもなったね。この人達には負けられないと。
加瀬 高見は一時期ジャンボ軍団にいたわけだけど、高見にとってジャンボというのはどういう存在なの。
高見 自分の中では間違いなく神様だね。自分のゴルフはジャンボさん抜きには語れないからね。だからいまだに“ジャンボ”と呼び捨てにはできない。その後、軍団から離れた時期もあったけど、別にジャンボさんが嫌いになったわけでもないし、今でもジャンボさんは唯一の師匠だと思っている。秀ちゃんなんかも軍団じゃなかったけどジャンボさんにはかなり影響を受けたんじゃないの?
加瀬 そりゃあもう憧れの人だからね。ただ、ジャンボって優しいところがあって、教えを請いにいくとちゃんと答えてくれるし、気遣いもあるし。でも、今一緒にプレーしてもドキドキするだろうな。
高見 オレたちの年代はみんなそうかもね。今の若い子がどんな気持ちでジャンボさんとプレーしているのか知らないけど、絶対緊張するよね。
加瀬 そういえば若い頃、ジャンボ軍団にいる高見が羨ましいと思ったことがあったよ。
高見 練習環境以外にも羨ましいことがあったってこと?
加瀬 だってジャンボ軍団といえば、ジェット(尾崎健夫)にジョー(尾崎直道)に飯合(肇)さんとスター選手がズラッといて、高見もそういう人たちに交じって練習ラウンドをやってたじゃない。普段からそういう人たちと一緒にやっていると試合でも緊張しないじゃないかなって。あの頃はそんなことも考えていたな。
高見 ジャンボさんと練習ラウンドをしたことはなかったんだっけ?
加瀬 一度ある。アメリカで。それも全米オープンで。いやいや緊張したね。練習ラウンドなんだけどプレーをするのが怖くてね。パー3でシャンクしたぐらいだかね(笑)。もう20年も前にことになるけど、いまだにあのドキドキした気持ちは忘れられないな。高見はそんな経験ないでしょう?
高見 練習ラウンドじゃないけどひとつ忘れられない試合があってね。中日クラウンズの最終日、ジャンボさん、オレ、グレッグ・ノーマンで回ったのよ。
加瀬 それはすごいメンバーだね。よくその中にいたね(笑)。
高見 結果から話をすると、優勝はジャンボさんで2位がノーマン、3位がブライアン・ワッツで4位がオレ。
加瀬 いやいやよく耐えたね(笑)。たいしたもんだよ。
高見 でしょう? オレとしては頑張ったし、結果もまずまずだったのよ。しかも試合中に忘れられない出来事があってね。オナーで迎えた14番。左にだけは打っちゃいけないと分かっていたのに、左に打ってOB。「もう終わった」と思って肩を落としていたら、ジャンボさんがやって来て、「おい、やっちゃったな」って。ジャンボさんがその言葉をどういうつもりで掛けてくれたのかしらないけど、オレには「まだ残りホールがあるんだから頑張れよ!」という励ましの声に聞こえたんだよね。
加瀬 いい話じゃない。
高見 秀ちゃんもジャンボさんと最終日にプレーしたことあるよね。
加瀬 94年、四日市CCでやった日本オープンね。当時、最終日はツーサムでね。ジャンボと2人切りなんてとんでもないって気持ちだったんだけど、それがプレーにも影響したのかインに入ってすぐにOBを打っちゃってね。そうしたらジャンボがやって来て、「試合をつまらなくしたな」って。もう素直に頷くしかなかった(笑)。
高見 ジャンボさんとはまた一緒にプレーをしたいよね。シニアツアーでは実現しないだろうけど。
加瀬 ホント、シニアに出て欲しいな。シニアだったら話し相手もいっぱいいるのにね(笑)。
高見 残念ながらジャンボさんの姿は見られないわけだけど、ここ数年、シニアツアー自体は盛り上がっているよね。
加瀬 その要因は、現会長の倉本(昌弘)さんの頑張りというのがひとつ。それと、プロアマの影響が大きいんじゃないのかな。シニアツアーに出ているプロはみんなプロアマを一番大事にしているわけだけど、それがスポンサーの拡大につながって試合数も増えていると思うね。
高見 レギュラーツアーは試合の前に開催する「前プロアマ」が多いけど、シニアの場合は、試合が終わってからやる「後プロアマ」が多いよね。あれも好結果につながっていると思わない?
加瀬 確かに、「後プロアマ」はいいね。試合が終わっているから気楽にできるし、アマチュアゴルファーと一緒にフロントティーでプレーできるというのも“ちょっとお疲れ”のシニアにとっちゃありがたいしね(笑)。それに、一緒のティーだと会話も弾む。
高見 ホント、「前プロアマ」だと自分の調子も気になるし、コースのことも気になってなかなかプロアマには集中できないからね。
加瀬 プロアマだけじゃなくて、本番でもギャラリーとの距離が近いというのもシニアの魅力だと思わない? シニアの選手ってけっこうギャラリーと言葉を交わしていたりするもんね。
高見 それはあるね。ある意味、選手とギャラリーに一体感がある感じがする。
加瀬 それと、選手がギスギスしてないのもいいんじゃない? レギュラーツアーのときは優勝争いでもしようものなら集中力を保つために誰ともしゃべらずに黙々とプレーって感じだったけど、シニアになると緊張感しっぱなしになるってことは少ないような気がするな。もちろん、ショットのときは集中するけど、それ以外は和気あいあいって感じ。大事な場面で失敗しても、「やっちゃったね」って声を掛けられる雰囲気があるもんね。
高見 みんな楽しんでゴルフをやっているってところがあるよね。
加瀬 そんなシニアツアーにまた“新人”たちが入ってくるよ。
高見 今年も、谷口(徹)君、深堀(圭一郎)君、手嶋(多一)君などなどシニアツアーを盛り上げてくれそうな選手が何人かいるね。
加瀬 そういえば谷口君はこの前日本プロで勝ったからか、シニアツアーには来たくないようなことを言っていたけど(笑)。
高見 日本プロで勝ったということは5年シードがもらえるわけだからね。55歳まではこっちには来ないんじゃないの?
加瀬 でも5年やるのはきついんじゃない? 53、4歳でもう疲れたってことになると思うよ。あとシニアに来たくないのは、みんなにいじられるのがイヤだっていう思いもあるんじゃないのかな。
高見 それはあるかもね。ただ、シニアの選手ってみんな優しいよね。何故シニアになったとたんこんなに丸くなるのかわからないけど、今まで怖いと思っていた人でも本当に優しい。
加瀬 年のせいだと思うけど、本当に丸くなる。谷口君も早くそのことに気づいて欲しいよね(笑)。
加瀬 2人とも来年還暦を迎えるわけだけど、今後について考えることある?
高見 今一番考えているのは、プロとしてどれだけ長くゴルフができるかってことだよね。とくにうちは子どもがまだ小さいから1日でも長く頑張りたいと思っている。秀ちゃんは?
加瀬 長くやりたいというのは同じなんだけど、最近特に思うのは、70歳になっても勢いよく振っていたいなってことだね。元気なスイングというか、スピードのあるゴルフね。そういうのをずっとやっていきたい。海老原さんみたいに。
高見 海老原さんはいつもマン振りって感じだもんな。あと高橋勝成さんも元気だよね。
加瀬 そうそう。シニアに入って9年が過ぎ、みんな年を取っていく中で、海老原さんと勝成さんは昔と同じゴルフをやっているからね。ああいうのを見ると「羨ましいなあ、オレもああなりたいなあ」って思うんだよね。
高見 あともう一人いた。“鉄人”室田淳(笑)。あの人も変わらない。本当に毎年、年を取っているのかね(笑)。そんな室田さんには追いつけないだろうけどできる限り元気でいたいよね。
加瀬 それと、元気なゴルフとは別に楽しくゴルフをやっていきたいという思いもあるんだよね。とはいっても何も考えずにプレーするってことじゃなくて、悩みはするけど明るく解決していくみたいな。
高見 いずれにしてもシニアツアーがあって本当に良かったって思わない? 昔の仲間といつまでも一緒にゴルフができるというのは幸せだよね。秀ちゃんとも長い付き合いだけど、これからもお互い頑張っていこうね。
加瀬 そうそう、お互い励まし合って生きていこうね(笑)。
出会ってから40年 良きライバルだった二人
高見 秀ちゃんとは同じ年なんだけど、付き合いも長いよね。オレがゴルフを始めたのは19歳のときで、最初は習志野(カントリークラブ)で林由郎さんにお世話になったんだけど、秀ちゃんのお師匠さんの中山徹さんも長太郎(CC)に移る前は習志野にいたからね。秀ちゃんのほうが2年ほどスタートが早く、オレ的にはこの世界に入ったときから知っている顔って感じかな。
加瀬 お互い今年で59歳だからもう40年か。長いよね。
高見 そういえばプロテストを一緒に受けたこともあったんだよな。最後に残ったのが8人で、受かったのが秀ちゃんだけ。
加瀬 やけに古いこと覚えてるな(笑)。
高見 そのあとオレがプロになってミズノ新人戦で優勝争いをしたとき、秀ちゃんと中山さんが応援してくれたというのも忘れられないなあ。実際、2人がオレのことを応援しに来てくれたのかどうかはわからないけど、優勝した瞬間、「やったね!」、「おめでとう」って言葉をかけてもらって、秀ちゃんとの距離もグッと縮まったような気がする。
加瀬 そんなこともあったね。
高見 プロになってジャンボ軍団に入ってからも、長太郎にお邪魔して練習をさせてもらったしね。練習のあと、大男3人がチョコレートパフェを食べながらゴルフの話をしていたのも今となってはいい思い出だよ(笑)。
加瀬 ボクの思い出は習志野の近くにあった練習場だな。研修生の頃、時々中山さんと一緒に習志野に行ったんだけど、習志野の人って日が沈んでからはコースの近くにある練習場で練習していたじゃない。あれが羨ましくてね。
高見 長太郎は近くに練習場がなかったんだ。
加瀬 そう。だから暗くなったら、9番と18番の照明の下で球を打っていたんだけど、それも消えたら終わりだからね。その点、習志野の人は寝るまで打てるわけだから練習量が大きく違ってくる。羨ましいと同時に、そのことが刺激にもなったね。この人達には負けられないと。
"ジャンボ尾崎"という存在
加瀬 高見は一時期ジャンボ軍団にいたわけだけど、高見にとってジャンボというのはどういう存在なの。
高見 自分の中では間違いなく神様だね。自分のゴルフはジャンボさん抜きには語れないからね。だからいまだに“ジャンボ”と呼び捨てにはできない。その後、軍団から離れた時期もあったけど、別にジャンボさんが嫌いになったわけでもないし、今でもジャンボさんは唯一の師匠だと思っている。秀ちゃんなんかも軍団じゃなかったけどジャンボさんにはかなり影響を受けたんじゃないの?
加瀬 そりゃあもう憧れの人だからね。ただ、ジャンボって優しいところがあって、教えを請いにいくとちゃんと答えてくれるし、気遣いもあるし。でも、今一緒にプレーしてもドキドキするだろうな。
高見 オレたちの年代はみんなそうかもね。今の若い子がどんな気持ちでジャンボさんとプレーしているのか知らないけど、絶対緊張するよね。
加瀬 そういえば若い頃、ジャンボ軍団にいる高見が羨ましいと思ったことがあったよ。
高見 練習環境以外にも羨ましいことがあったってこと?
加瀬 だってジャンボ軍団といえば、ジェット(尾崎健夫)にジョー(尾崎直道)に飯合(肇)さんとスター選手がズラッといて、高見もそういう人たちに交じって練習ラウンドをやってたじゃない。普段からそういう人たちと一緒にやっていると試合でも緊張しないじゃないかなって。あの頃はそんなことも考えていたな。
高見 ジャンボさんと練習ラウンドをしたことはなかったんだっけ?
加瀬 一度ある。アメリカで。それも全米オープンで。いやいや緊張したね。練習ラウンドなんだけどプレーをするのが怖くてね。パー3でシャンクしたぐらいだかね(笑)。もう20年も前にことになるけど、いまだにあのドキドキした気持ちは忘れられないな。高見はそんな経験ないでしょう?
高見 練習ラウンドじゃないけどひとつ忘れられない試合があってね。中日クラウンズの最終日、ジャンボさん、オレ、グレッグ・ノーマンで回ったのよ。
加瀬 それはすごいメンバーだね。よくその中にいたね(笑)。
高見 結果から話をすると、優勝はジャンボさんで2位がノーマン、3位がブライアン・ワッツで4位がオレ。
加瀬 いやいやよく耐えたね(笑)。たいしたもんだよ。
高見 でしょう? オレとしては頑張ったし、結果もまずまずだったのよ。しかも試合中に忘れられない出来事があってね。オナーで迎えた14番。左にだけは打っちゃいけないと分かっていたのに、左に打ってOB。「もう終わった」と思って肩を落としていたら、ジャンボさんがやって来て、「おい、やっちゃったな」って。ジャンボさんがその言葉をどういうつもりで掛けてくれたのかしらないけど、オレには「まだ残りホールがあるんだから頑張れよ!」という励ましの声に聞こえたんだよね。
加瀬 いい話じゃない。
高見 秀ちゃんもジャンボさんと最終日にプレーしたことあるよね。
加瀬 94年、四日市CCでやった日本オープンね。当時、最終日はツーサムでね。ジャンボと2人切りなんてとんでもないって気持ちだったんだけど、それがプレーにも影響したのかインに入ってすぐにOBを打っちゃってね。そうしたらジャンボがやって来て、「試合をつまらなくしたな」って。もう素直に頷くしかなかった(笑)。
高見 ジャンボさんとはまた一緒にプレーをしたいよね。シニアツアーでは実現しないだろうけど。
加瀬 ホント、シニアに出て欲しいな。シニアだったら話し相手もいっぱいいるのにね(笑)。
盛り上がってます!シニアツアーの魅力
高見 残念ながらジャンボさんの姿は見られないわけだけど、ここ数年、シニアツアー自体は盛り上がっているよね。
加瀬 その要因は、現会長の倉本(昌弘)さんの頑張りというのがひとつ。それと、プロアマの影響が大きいんじゃないのかな。シニアツアーに出ているプロはみんなプロアマを一番大事にしているわけだけど、それがスポンサーの拡大につながって試合数も増えていると思うね。
高見 レギュラーツアーは試合の前に開催する「前プロアマ」が多いけど、シニアの場合は、試合が終わってからやる「後プロアマ」が多いよね。あれも好結果につながっていると思わない?
加瀬 確かに、「後プロアマ」はいいね。試合が終わっているから気楽にできるし、アマチュアゴルファーと一緒にフロントティーでプレーできるというのも“ちょっとお疲れ”のシニアにとっちゃありがたいしね(笑)。それに、一緒のティーだと会話も弾む。
高見 ホント、「前プロアマ」だと自分の調子も気になるし、コースのことも気になってなかなかプロアマには集中できないからね。
加瀬 プロアマだけじゃなくて、本番でもギャラリーとの距離が近いというのもシニアの魅力だと思わない? シニアの選手ってけっこうギャラリーと言葉を交わしていたりするもんね。
高見 それはあるね。ある意味、選手とギャラリーに一体感がある感じがする。
加瀬 それと、選手がギスギスしてないのもいいんじゃない? レギュラーツアーのときは優勝争いでもしようものなら集中力を保つために誰ともしゃべらずに黙々とプレーって感じだったけど、シニアになると緊張感しっぱなしになるってことは少ないような気がするな。もちろん、ショットのときは集中するけど、それ以外は和気あいあいって感じ。大事な場面で失敗しても、「やっちゃったね」って声を掛けられる雰囲気があるもんね。
高見 みんな楽しんでゴルフをやっているってところがあるよね。
加瀬 そんなシニアツアーにまた“新人”たちが入ってくるよ。
高見 今年も、谷口(徹)君、深堀(圭一郎)君、手嶋(多一)君などなどシニアツアーを盛り上げてくれそうな選手が何人かいるね。
加瀬 そういえば谷口君はこの前日本プロで勝ったからか、シニアツアーには来たくないようなことを言っていたけど(笑)。
高見 日本プロで勝ったということは5年シードがもらえるわけだからね。55歳まではこっちには来ないんじゃないの?
加瀬 でも5年やるのはきついんじゃない? 53、4歳でもう疲れたってことになると思うよ。あとシニアに来たくないのは、みんなにいじられるのがイヤだっていう思いもあるんじゃないのかな。
高見 それはあるかもね。ただ、シニアの選手ってみんな優しいよね。何故シニアになったとたんこんなに丸くなるのかわからないけど、今まで怖いと思っていた人でも本当に優しい。
加瀬 年のせいだと思うけど、本当に丸くなる。谷口君も早くそのことに気づいて欲しいよね(笑)。
「少しでも長く」「70歳でも振っていたい」
加瀬 2人とも来年還暦を迎えるわけだけど、今後について考えることある?
高見 今一番考えているのは、プロとしてどれだけ長くゴルフができるかってことだよね。とくにうちは子どもがまだ小さいから1日でも長く頑張りたいと思っている。秀ちゃんは?
加瀬 長くやりたいというのは同じなんだけど、最近特に思うのは、70歳になっても勢いよく振っていたいなってことだね。元気なスイングというか、スピードのあるゴルフね。そういうのをずっとやっていきたい。海老原さんみたいに。
高見 海老原さんはいつもマン振りって感じだもんな。あと高橋勝成さんも元気だよね。
加瀬 そうそう。シニアに入って9年が過ぎ、みんな年を取っていく中で、海老原さんと勝成さんは昔と同じゴルフをやっているからね。ああいうのを見ると「羨ましいなあ、オレもああなりたいなあ」って思うんだよね。
高見 あともう一人いた。“鉄人”室田淳(笑)。あの人も変わらない。本当に毎年、年を取っているのかね(笑)。そんな室田さんには追いつけないだろうけどできる限り元気でいたいよね。
加瀬 それと、元気なゴルフとは別に楽しくゴルフをやっていきたいという思いもあるんだよね。とはいっても何も考えずにプレーするってことじゃなくて、悩みはするけど明るく解決していくみたいな。
高見 いずれにしてもシニアツアーがあって本当に良かったって思わない? 昔の仲間といつまでも一緒にゴルフができるというのは幸せだよね。秀ちゃんとも長い付き合いだけど、これからもお互い頑張っていこうね。
加瀬 そうそう、お互い励まし合って生きていこうね(笑)。
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