かつてない“アウェイ感”にアメリカ大苦戦!米欧ツアーの特徴が要因に
2018年9月30日(日)午後0:14
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28日に開幕した米国選抜と欧州選抜の対抗戦「ライダーカップ」。CS放送「ゴルフネットワーク」で同大会の中継解説を務めるプロゴルファーのタケ小山氏に、2日目午前中の競技を終えたところで話を聞いた。
ツアーの持っている雰囲気が結果に出た
今回はアメリカがぶっちぎって勝つと思っていたんですが、想定外の大苦戦です。キャプテンのジム・フューリックがもう少しペアリングのテコ入れしてもいいのではないかと思いますが、やはりタイガーの使い方が難しかったのかなと。パトリック・リードとのペアリングは、昨日負けたのでもう一度ということだったと思うのですが、厳しかったです。
前回のライダーカップではアメリカの秘密兵器として活躍したリードですが、タイガーと組んで一度も勝てなかったというのは、良くなかったですね。ファウラーとダスティン・ジョンソンもうまくいかなかったし、個々のプレーの力はあるんですが、チーム戦になると極端に弱くなってしまうのがアメリカなんですよね。
それは何に理由があるのかというと、アメリカツアーと欧州ツアーの違いが出たような気がします。アメリカは個人主義で、プライベートジェットで移動したりしますが、欧州ツアーは指定のエアラインで次の会場へ集団で移動したりとか、ノブ(佐藤信人プロ)や手嶋多一さんも言っていましたけど、みんなフレンドリーでファミリーっぽくなっていくという。そういう、もともとツアーの持っている雰囲気が、チーム戦対個人戦の差になっているのかなと。最後のシングルス戦でアメリカがどれくらいまくれるかに期待したいですね。
ただ、今回フランス大会のアメリカのアウェイ感はいままでにないくらいじゃないでしょうか。イングランドやアイルランドでやっている時はここまで感じないんですが、アメリカのファンが極端に少ないような気がします。選手もストレスが溜まっているように感じます。
あとは、アメリカはコース(ル・ゴルフナショナル)を回ってないのはダメですね。経験したことがあるのがトーマスだけでは。それから、アメリカはプレジデンツカップと合わせて毎年やっているわけですよね。過密スケジュールのなか、プレーオフシリーズの後の開催という、ライダーカップ自体「このままでいいんですか?」という過渡期に来ているかもしれないですね。もちろんアメリカのホームでやっていたらもっと違うんでしょうけど。
(写真提供:Getty Images)