欧州男子
欧州ツアーの魅力は「多様性、静かさ、そして米国への憧れの裏返し的心情」
2018年5月22日(火)午後2:30
5/24(木)よりヨーロピアンツアー(欧州ツアー)ロレックスシリーズ第1戦「BMW PGAチャンピオンシップ」が開幕する。最近では宮里優作や谷原秀人、片岡大育など日本人選手も戦いの舞台に選ぶ「欧州ツアー」について、ゴルフチャンネルジャパンアナウンサーで実況を務める小松直行氏に話を伺った。1回目は「欧州ツアーの魅力」について聞く。
そしてプレイヤーの出身国だけでなく、試合の開催国も多様。2018年は全47試合、四大陸30カ国に及びます。とはいえ、どこの国に行ってもゴルフコースの要素はあまり大きく変わりませんが、気象条件や植生やコース外の背景に異国情緒はうかがえます。米PGAツアーの舞台がどの試合も箱庭のように整備されグリーンは一様に速いのと違って、聞きなれない種類の芝や、遅い設定のグリーンもあります。私も花や鳥の名前を挙げたり、ことさらに空の色や風の違いを持ち出して演出したくなってしまうのです。
欧州ツアーびいきの心情には、アメリカへの反発、とまでは行かなくとも、アメリカと違うものを求める、アメリカに対抗するものを応援したい、という気分があるかもしれません。その根底には、強くて、お金もちで、とことん明るいアメリカへの憧れが潜んでいるかもしれません。欧州ツアー中継もこの20年でかなり変わりました。アメリカ市場を意識せざるを得ないし、アメリカ的なゴルフへの需要を追いかけてアメリカンネットワークの中継スタイルを真似る方向にあるので、最近の変化を感じている静かな中継の愛好者には少し歯がゆいかもしれません。
【関連】Golf Channel Japan
欧州ツアーをみれば2020がより楽しめる?四大陸30カ国におよぶ多様性
プレイヤーは、ヨーロッパの国々にとどまらずアメリカをも含めた全世界。一試合の出場プレイヤーの出身国は30か国以上におよび、まさに「毎週がオリンピック」のようなもの。2016年のリオ五輪ゴルフでは、出場60名のうち欧州ツアーに出たことのないプレイヤーは5名で、あとは大多数が欧州ツアーレギュラーでした。いまから欧州ツアーを見てプレイヤーを知れば、2020年東京を10倍楽しく見ることができるというものです。そしてプレイヤーの出身国だけでなく、試合の開催国も多様。2018年は全47試合、四大陸30カ国に及びます。とはいえ、どこの国に行ってもゴルフコースの要素はあまり大きく変わりませんが、気象条件や植生やコース外の背景に異国情緒はうかがえます。米PGAツアーの舞台がどの試合も箱庭のように整備されグリーンは一様に速いのと違って、聞きなれない種類の芝や、遅い設定のグリーンもあります。私も花や鳥の名前を挙げたり、ことさらに空の色や風の違いを持ち出して演出したくなってしまうのです。
静かな中継は、米国への"裏返し"
欧州ツアー中継は、静かなのがいいんですね。多人数のアナウンサー(コメンテーター)が出番を待ちながらこれでもかとしゃべりまくり、グラフィックも詰め込んで進行する米PGAツアー中継が好きな人は物足りないと感じるかもしれませんが、私としては、ゴルフは静かな中で進行するからこそ、一打の緊張感が伝わるのだと思って、なるべく黙るようにしています。静と動の「間(ま)」こそが日本の文化ではなかったか、なんてね。それで耳で聞こえる情報量は多い、という中継にしたいと努力していますが、ときとしてさびしく、うらぶれた感じになって苦戦することもあります。生中継が日本時間で夜になることを考えれば、静かな中継は基本的には視聴者の生理にあうのではないでしょうか。欧州ツアーびいきの心情には、アメリカへの反発、とまでは行かなくとも、アメリカと違うものを求める、アメリカに対抗するものを応援したい、という気分があるかもしれません。その根底には、強くて、お金もちで、とことん明るいアメリカへの憧れが潜んでいるかもしれません。欧州ツアー中継もこの20年でかなり変わりました。アメリカ市場を意識せざるを得ないし、アメリカ的なゴルフへの需要を追いかけてアメリカンネットワークの中継スタイルを真似る方向にあるので、最近の変化を感じている静かな中継の愛好者には少し歯がゆいかもしれません。
【関連】Golf Channel Japan
関連番組
2018 BMW PGAチャンピオンシップ<ロレックスシリーズ>
5月24日(木)~5月27日(日)