ヘッドを”カチャカチャ” プロも認める弾道調整機能の効果とは?
2015年8月1日(土)午前11:32
全英オープンの前哨戦、スコティッシュオープンは、昨年のメジャーで何度も優勝争いを演じたリッキー・ファウラーが優勝。リンクスコースでも勝負強いところを発揮しました。
ファウラーが使用するドライバーは、ソールに15gもの可変ウェイトが装着された最新モデル。ウェイトをヘッドの前後2箇所で移動することが出来、それによって重心位置をコントロールできるようになっています。
ファウラーは、フェースフェースに近い前方のポジションにウェイトを設定しています。
このウェイトの変化で、どのような効果があるのでしょうか?
ウェイトを動かすと何が変わるのか?
ファウラーの使用しているドライバーは、15gのウエイトを、フェース側かバックフェース側かに動かすことが出来ます。
ドライバーのヘッド重量は、190g?200gほどですので、その約8%近くの重量を動かすことになります。これだけの重量が動くとヘッドの特性となる重心位置も大きく動く事になります。
ウェイトがフェース側にある場合は、重心深度が浅くなり、ボールにバックスピンがかかりづらくなります。逆にバックフェース側にウェイトを移すと、重心深度が深くなり、ボールにスピンがかかりやすくなります。
スピン量が減りやすい重心深度が浅い状態では、低スピンで球質が重い弾道になる反面、ヘッドスピードが不足するとボールが失速しやすくなります。一方、重心深度が深い状態では、ボールが上がりやすくミスにも寛容になる反面、ヘッドスピードの速いゴルファーはスピン量が増えすぎて、吹け上がってしまい飛距離をロスしてしまいます。
リッキー・ファウラーはこのレベルのプロとしてはやや多めなロフト角10.5度のヘッドを選択。多めのロフト角で打ち出し角を確保しながら、スピン量の少ないウェイトポジションで高弾道低スピンのボールを打とうとしている意図が見えます。
ネックの"カチャカチャ"で最適弾道
ウェイト可変式に加え、現在ではヘッドとシャフトを抜き差しする弾道調整機能が一般的です。シャフト先端の装着スリーブに僅かな角度がついていて、それを開店させることによって、ロフト角やフェース角などを変更する機能です。ヘッドとシャフトを"カチャカチャ"と音を立てながら装着するので、"カチャカチャ"機能などと呼ばれています。
例えば、ロフト角が10.5度のドライバーを"カチャカチャ"機能で、右に回転してから装着すると、ロフト角が減り、フェース角がオープンになります。シャフトスリーブ部分に角度があるためです。逆に回すと、ロフト角が増え、フェース角がクローズになります。 ロフト角が増えると、弾道は高くなり、フェース角がクローズになると、ボールは左にいきやすくなります。
この機能をうまく使うと、これまで「どうもスライスするな」とか「ボールが上がりすぎるな」といった悩みを、クラブを変えたりすることなく調整できます。最近では、ロフトとフェース角を別々に変更できるモデルも登場しています。
アマチュアにも有効なのか?
プロは、一度決めたポジションを頻繁に変えることはありませんが、新しいクラブを試すときは"カチャカチャ"を繰り返し、理想的なポジションやウェイト位置を見つけます。この調整機能があると、新製品にも対応しやすくなります。
別のシャフトを試すときにも、非常に便利です。
プロでも活用している弾道調整機能なので、我々アマチュアゴルファーが使わない手はありません。
ラウンド中の変更はルール違反ですが、練習場でボールを打ちながら、最適ポジションを探してみると良いと思います。
スライスしかでないなら、ボールがつかまるようにウェイトで重心位置を変更したり、フェース角をクローズにしたり、ロフト角を増やす事で、同じスイングでボールの曲がりを抑えることが出来ます。
またロフト角やウェイト位置を調整することによって、ファウラーのような高打ち出し低スピンの弾道になりやすく出来ます。スピン量は多すぎても少なすぎてもダメで、適正なスピン量になると、10ヤード以上の大幅な飛距離アップにつながることもあります。
たくさんのポジションから、結果がいいものを探すのも楽しい作業です。
"カチャカチャ"を活用して、飛距離アップにチャレンジしてみて下さい。