欧州男子

ショートパンツ許可、新たなスロープレー対策、メンバー増…　欧州ツアーCEOが革新的な取り組みについて語る

2016年10月22日（土）午後4:30

練習ラウンド、プロアマ戦でのショートパンツ着用を認め、スロープレー対策への新たな方針を示すなど、革新的な改革を続ける欧州ツアー。その最前線で指揮を執るキース・ペリーCEOがゴルフセントラルのスタジオに登場。ツアーでの取り組みや米ツアーとの関係性などについて話を聞いた。

……欧州ツアーが目指そうとしていた方向性は、あなたの目指したいことと同じでしたか？

「一番最初の顔合わせでは、お互いがお互いのことを知る必要があったと言いましたが、私はツアーが変化に対応する備えがあるか知りたかったですし、きわめて歴史と伝統のあるスポーツですが、リスクをとって新しいものも取り入れる必要があるという認識を共有する必要がありました、新しいフォーマットを試験的に採り入れたり、選手の側にも、これが単なるゴルフビジネスという枠組みを超えて、一つのエンターテイメントビジネスだという認識を持ってもらう必要がありました」

「これはゴルフというプラットフォームのうえに築くコンテンツビジネスなのです。そのためには、変化を受け入れる用意が欠かせず、簡単なことではありません。勇気をもって新しい変化を受け入れる好奇心を役員たちが持ち合わせているかが、私にとっては重要なポイントでしたが、それはしっかり感じ取れました」

……PGAツアーはパートナーですか？それともライバルでしょうか？

「ゴルフを世界にもっと普及させるという共通の目的を持っている点では、紛れもなくパートナーです。ゴルフという共通基盤があり、ゴルフを経験し、楽しむ人々の人口が増えれば増えるほど、それがコースだろうと、練習場だろうと、ミニチュアゴルフだろうと、私たちにとっては歓迎すべきことです。とはいえ、ヨーロピアンツアーこそが世界規模のゴルフツアーであり、26カ国で大会を開催しています。PGAツアーとはいろいろ競争もありますが、ゴルフビジネスを成長させるうえでは、確固たるパートナーです」

……さらなる成長が求められていますが、メンバーを増やすことについても考えていますか？数年前には前任のジョージ・オグレディー氏が米国人選手をリクルートしたいと明言しました。バッバ・ワトソンやリッキー・ファウラーなど具体名まで挙げていましたが、それについては？

「出来る限り強い選手が我々のトーナメントで競い合って欲しいのは、当然の思いです。メンバーになるための敷居も下げましたし、突き詰めれば現在ツアーの選手たちも望んでいる賞金額やトーナメントの出場枠などを改善し、より良いツアーにしていくことですね。ヨーロピアンツアーの会場には、歴史のある素晴らしいコースがたくさんあり、多様性が我々の最大の強みでもあります。中東、スイス、フランスのパリ、イタリアのローマなど世界中で大会を行なっています。異国で新しい経験をするという点でも、単なるゴルフトーナメントではなく、選手たちが参加したいと思う動機になるはずです」

（写真提供:Getty Images）

……ライダーカップについては、ヨーロピアンツアーにとってとても重要な大会で、イアン・ポルターはツアーで最も貴重だと言っていましたが、実際そうですか？

「かなり重要です。1年おきに開催され、今年は私が就任後初めての大会なので特に楽しみです。キャプテンのダレン・クラークは先日、マレーシアでアジアチームを倒したあと、さらなる闘志を燃やしています。今からワクワクしますし、ライダーカップは特別な思い出を残してくれる大会です」

……欧州ツアーではショートパンツ着用が認められましたが、ダレン・クラークが働きかけたんでしょうか？ユーラシアカップではぴったりでしたが、ツアーの大会でも練習ラウンドとプロアマ戦で許可されることになりましたよね。

「ダレン・クラークは喜んでいましたが、彼は今回の決断に絡んだわけではありません。きっかけはドバイでの大会でした。レース・トゥ・ドバイの最終戦DPワールドチャンピオンシップは、炎天下の中で開催され、私は選手に水曜日のプロアマ戦で短パンを着用したらどうかと尋ねたんです。すると、質問した25人の誰も履かないことに対する明確な答えをくれなかったんです。そして、イアン・ポールターに試してみたらどうだと持ち掛けると、じゃあ練習ラウンドとプロアマ戦でというのでユーラシアカップからOKを出したんです。それが大きな話題になりました」