今季大躍進の岩田寛?ツアー屈指の小技を支える細かなこだわり?
2015年7月3日(金)午後3:25
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念願の初優勝へあと一歩!
先日、中国・上海郊外のシェシャンインターナショナルGCで行われた世界ゴルフ選手権シリーズの2014年最終戦「WGC-HSBCチャンピオンズ」で、3位タイに入った岩田寛。あわや優勝という活躍で、国内外で注目を集めました。
大会終了後のインタビューでは、「今は悔しくて泣きそう。今回に関しては手応えがあるけど、また別のコースになったらわからない。また明日から努力して頑張りたい。」と語った岩田。
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【動画】岩田寛、これを決めればプレーオフ!18番バーディートライ
東北福祉大では宮里優作と同期。2004年にツアーデビューし、06年には早くもシード権を獲得するなど、若手の筆頭格と目されながらも、なかなか優勝に手が届かない時期が続きました。最終日に崩れることも少なくなく、2012年はあわやシード落ちというピンチも味わいました。
しかし今年はシーズン序盤から好調で、開幕からの10戦中6戦でベスト10入り。 そのうち2戦で2位(タイ含む)に入る活躍を見せていました。
そして、フジサンケイクラシックではついに念願のツアー初優勝。三井住友VISA太平洋マスターズを終えた時点で、賞金ランキング4位につけており、今シーズンの大きく躍進した存在となりました。
ツアーで人気のアイアン型UT
そんな岩田は、クラブにこだわることが有名。
2012年から本間ゴルフと契約しています。
ツアー会場でたまたま3Wを使用したことがきっかけで、本間ゴルフの酒田工場を見学し、職人たちの仕事を目の当たりにして「本間さんになら命をあずけられる」と思い、契約したといいます。
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【動画】杉ちゃんが行く!岩田寛編「TEAM HONMAへの想い」
岩田といえば、切れ味鋭いアイアンショットが武器のひとつですが、そんな岩田が3番アイアン代わりに入れているのが、中空構造のアイアン型ユーティリティです。、小田孔明をはじめとするホンマ契約の選手のみならず、宮本勝昌など解約外の選手にも愛用者がいる人気モデルです。
アイアンと同じようなイメージで構えられ、同ロフトのアイアンよりも高い球でグリーンを狙えるのが強みだといいます。
岩田のTW-Uは、ロフト21度のモデルを2度立てて19度にして使っています。これによってネック形状のオフセットがより強くなり、球がつかまるイメージが出るのだそうです。
基準となる飛距離は235Y。
長いパー3だけでなく、狭く短いパー4のティーショットや、パー5の2打目でも活躍しているので、注目してみてください。
ツアー屈指の小技を支える細かなこだわり
岩田のツアーデータを見ると、サンドセーブ率3位(61.46%)、リカバリー率4位(68.01%)を、小技の上手さが際立ちます。実際ツアープレーヤーの間でも「バンカーはヒロシが上手い」という声を耳にします。
そんな岩田の小技を支えるのがサンドウェッジ。58度のものを使っています。
他のアイアンやウェッジ類はシャフトにダイナミックゴールドのX100を挿している岩田ですが、このサンドウェッジだけはS200と少し軟らか目を装着しています。
シャフトのしなりを生かすことで、ヘッドの挙動を感じやすくなり、繊細なタッチが生かせるというわけです。
また、このSW(※本間「TW-W」)はリーディングエッジに丸みがなく、ネックからリーディングエッジにかけて一直線になるキレイなストレートネックに仕上がっています。
多くの選手が、SWのネックからリーディングエッジのラインにはゆるやかな丸みやくびれ(いわゆるフトコロ)を作ることでフェースを開きやすくしたり、球をつかまえるイメージを出しており、岩田のように超ストレートネックのSWを好む選手は珍しいタイプ。
しかし、岩田本人によると「ストレートネックのほうがボールにクリーンにコンタクトするイメージを出しやすいので、悪いライでも安心して打てる」とのこと。こういった工夫が、ピンチからでもパーをセーブするナイスリカバリーを生んでいるのでしょう。
また、こうした選手のニーズに細やかに対応するメーカーのサポートも、岩田の好調を支えているといえそうです。
このほか、岩田のクラブには、ドライバーからウェッジまでほぼ全番手のヘッドに鉛が貼り付けてあるなど、細かく見れば見るほど、彼の繊細なクラブへの感覚が窺えます。
2014年シーズン終盤戦は、岩田のショットだけでなくクラブにも注目して観戦してみてください。
今年を締めくくるツアー最終戦は「とことん1番ホール生中継」!
ゴルフネットワークでは国内男子ツアー最終戦「第50回ゴルフ日本シリーズJTカップ」の1番ホールを独占生中継でお送りします。ぜひお楽しみに!