進藤キャディーが語る松山英樹の強さとは?「J.スピースに負けたく無い、“次は俺だ!”」
2015年5月16日(土)午後3:30
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マスターズの最終日にベストスコアとなる「66」をマークし、通算11アンダーの5位タイとなった松山英樹。大会終了後には「勝てる可能性もあった」と悔しさを滲ませてた。
今シーズンは開幕戦で3位タイに入ると、その後何度も優勝争いに顔を出し、出場14試合でトップ10入りは7回とJ.スピースと並んでツアー1位と安定した力を発揮。FEDEX CUPランキングは9位、ワールドランキングは14位と世界を代表するプレーヤーの一人になった。
昨年のPGAツアー初優勝からもうすぐ一年が経つ。ツアー2勝目、そしてメジャー制覇へ期待が高まる中、松山が内に秘めた想いとは?
マスターズを終え、一時帰国していた松山英樹の専属キャディーを務める進藤大典さんに話を聞いた。
専属キャディーとして共に世界で戦ってきた進藤キャディーだからこそわかる松山の想い。日頃多くを語らない松山の素顔に迫る。
「英樹の進化のスピードについていくのが大変」
松山の先輩にもあたる東北福祉大学出身の進藤さんは宮里優作、岩田寛らと共に大学時代にゴルフへ打ち込んでいた。その後、片山晋呉、谷原秀人、宮里優作らのキャディを務め、2012年のアジアアマチュア選手権から松山のバッグを担ぎ、プロデビューした2013年には国内ツアー賞金王、そして2014年はアメリカに渡って、日本人史上4人目となるPGAツアー初優勝という快挙を成し遂げた。
「英樹の進化のスピードについていくのが本当に大変。」と進藤さんが言うほど松山の活躍は目覚ましく、瞬く間に世界のトップランカーへと階段を駆け上がった。
それでもPGAツアーフル参戦1年目の昨シーズンは本当に余裕が無く必死だったという。
進藤さん「英樹にとっても、1年目のシーズンは毎週毎週新しい場所、知らない選手ばかりで、経験の一年と位置付けてやっていたと思う。それでも6月のザ・メモリアルトーナメントで優勝出来た要因の一つは、プレジデンツカップでラウンドした経験があったからだと思います。」
時間が経つほど本当に名誉ある大会で優勝したんだという実感が沸いてくるという進藤さん。ザ・メモリアルトーナメントでの知られざる優勝秘話とは?
(写真提供:Getty Images)
進藤さん「メモリアルトーナメントで優勝したのには伏線がありました。大会2週間前のオープンウィークにテキサスで練習をしていたんですが、本人の中で日本で賞金王になった時のフィーリングを、何か“掴んだ"感覚がありました。翌週(メモリアルの前週)のクラウンプラザでは優勝こそなりませんでしたが、PGAツアーで初めて最終日最終組でプレーした経験が、メモリアルの優勝にも繋がったと思います。
その時は最終日に他の選手もそこまでスコアを伸ばしていなかったので、優勝するには全ホールバーディーを取るとか考えなくても大丈夫なんだ、と少し気持ちが楽になりました。」
「土壇場での集中力がすごい」
(写真提供:Getty Images)
プレジデンツカップ、クラウンプラザでの最終日最終組のプレーと一つ一つ経験を糧にしてPGAツアー初優勝を果たした松山。
昨年のメモリアルトーナメント最終日、首位に2打差の3位からスタートした松山は一時は単独トップに立ちながら、16番をダブルボギー、17番もボギーとスコアを落とす。迎えた最終18番ではティーショット後に怒りでドライバーを折ってしまうが、土壇場でバーディを奪いプレーオフへ。ティーショットでは3番ウッドを使いながらも見事に勝ちきった。
そんな松山の強さとは?
進藤さん「英樹が凄いのはここ一番での集中力。メモリアルトーナメントの時もドライバーのヘッドが取れて、プレーオフになった土壇場でも集中して力を発揮しました。最終日最終18番のセカンドは本当にすごかったです。
英樹は自分のフィーリングと自分のロジックが噛み合った時にすごい力を発揮する。常に根拠を持ってプレーしているし、同時に客観的に自分のことを見ることが出来るプレーヤーだと思います。あと、英樹は異常なほど記憶力が良いんですよ。」
「好調の要因はティーショットの安定感」
(写真提供:Getty Images)
今季の松山はドライビングディスタンス295.4Y(31位)、フェアウェイキープ率65.98%(49位)とそれぞれ上位ではないが、2つのスタッツを足したティーショットの総合力を図るトータルドライビングでは、ローリー・マキロイ、アダム・スコットに次いでツアー3位につけている。
進藤さん「今シーズンの好調の要因は、昨シーズンの経験もありますが、ティーショットの曲り幅が狭くなって、安定したことが結果に繋がっていると思います。今年は肉体改造にも力を入れていて、飛距離も伸びたと思います。これまで一緒にラウンドした時に飛距離が同じくらいの選手でも、今年はその選手よりも前に飛んでいることがあります。」
「車で例えると大型車の乗っている感じ」
世界のトッププレーヤーとなった松山の性格とは?
(写真提供:Getty Images)
進藤さん「英樹は、全ての分野でもっともっと上手くなりたいと思っている。マスターズで5位に入っても今の現状には全然満足していないと思います。英樹は人の三倍も四倍も負けず嫌いなので、悔しい思いはしていると思いますが、二勝目の焦りはなく、いずれチャンスが来ると思っています。
メジャーに対しても英樹は勝てると信じているし、自分も英樹なら勝てると思っています。昨シーズンの経験からメジャーに向けたコンディション調整のタイミングはわかったので、それがマスターズの好成績にも繋がったと思います。マスターズという大会でも、ツアーの中の一つの大会という感覚で望めたこともあり、特別感を感じすぎないことが良かったです。
マスターズで勝ったジョーダン・スピースと英樹はPGAツアーではほぼ同期です。彼のプレーは本当に素晴らしかったけど、彼らに(優勝が)できるのであれば、自分たちにもできると思いました。英樹もスピースには負けたくないと思っているし、スピースのことを“すげえな!"って言ってますが、“次は俺だ!"と内に秘めていると思います。
英樹のキャディーをしていると“大型車"に乗っている感じです。多少ぶつかられてもヨレヨレしない、そのくらい肝が据わっています。そんな英樹のことを自分の人生をかけてサポートしているつもりです。」
固い絆で結ばれているプレーヤー松山英樹とキャディー進藤大典。6月には初優勝を飾った「ザ・メモリアルトーナメント」、そして「全米オープン」の大舞台が待っている。PGAツアー2勝目、そしてメジャー制覇に向けて突き進む二人のこれからが益々楽しみだ。
特別番組「松山英樹の軌跡?連覇への輪舞曲(ロンド)?」5/17(日)放送
専属キャディー進藤大典さんの独占インタビューを交え今シーズンの松山英樹を振り返る特別番組。あのツアー初優勝から1年が経ち、松山は再び「メモリアルトーナメント」の地に舞い戻る。期待される「2勝目」、そして「連覇」に向けて、松山の輪舞曲(ロンド)は続いていく。
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