ベリーパター論争にP.エイジンガーが参戦
2012年11月23日(金)午前11:43
年末に向けて、ベリーパター(中尺パター)を禁止するか否かの論争がヒートアップする中、1993年全米プロゴルフ選手権王者のポール・エイジンガー(米)が一つの見解を示した。
パターのグリップを体に固定することから、ルールで禁止すべきだと言う説が根強くあったベリーパターだが、昨年の全米プロでこれを使用したキーガン・ブラッドリー(米)が優勝したのをきっかけに論争がヒートアップ。ゴルフの総本山であるR&A(ロイヤル・アンド・エイシェント・ゴルフ・クラブ)と、USGA(全米ゴルフ協会)との間で話し合いが重ねられ、今年中には結論が出ることになっている。
そんな中、エイジンガーが口にしたのは「みんなが自分のゴルフを進歩させようと思っている。しかし、テクニックがある者にはよくても、他の者によくないのはよくあること。メーカーが新しい道具を開発するのはいいと思うが、選手がその道具を手にした際にそれを禁止とするのか?」と口にしたのだ。
それは1999年末のこと。パットに問題を抱えていたエイジンガーは、地元フロリダのプロショップにふらりと入った。そこで目に入ったのがベリーパターだった。
このパターを使ってプレーしたエイジンガーは、男女混合チーム戦で1イーグル、13バーディを奪う大活躍を見せた。結局この試合には敗れたものの、翌2000年のソニー・オープン・イン・ハワイではこれを使って久々の復活優勝を飾った。
それほどベリーパターの恩恵を受けたエイジンガーだが、この問題に対するスタンスはいたって冷静で、「USGAとR&Aは、道具の間違った部分についてよく考える必要がある。だって、ベリーパターはパットそのものをよくしてくれるわけじゃない。でも、現在のドライバーがボールをより遠くに飛ばせるようになっているのは間違いないのだから」とコメントしている。
エイジンガーが言うとおり、ゴルフ界はこれまでルール上、様々な用具の規制を行ってきた。だが、必ずしもそれが正しく公平なことばかりではなかったのもまた事実。R&AとUSGAが、ベリーパターについてどんな結論をはじき出すのか。もうしばらくの間は、あちこちで激しい論争が行われることだけは間違いない。